柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

白飯屋

以前に都内の商店街にあったおむすび屋で開かれたイベントでおむすびを作った際、高齢の女性客が「おむすびじゃなくて白いごはんを買いたい」と注文してきた。昼食のおかずは家にあるが、帰宅後に「夫と2人分のごはんを少量だけ炊くのが面倒」なのだという。…

お米と日本酒の〝経時優化〟

「お米と日本酒は似ている・その1」で、開栓時よりも数日経ってからのほうがおいしい日本酒、精米から数日経ってからおいしいお米の話、年明けから味がのってくるお米のことを書いた。 7日前に開栓したある日本酒は、とてもきれいな酸の奥にサイダーっぽい甘…

お米を生かすも殺すも炊飯次第

花の生け方を習ったことがなく、これまでずっとなんとなく活けている。花自体が美しいので、なんとなく生けても部屋が明るくなり私の気分も明るくなるが、もっとうまく生けてあげられたら花はもっと輝くんだろうな。美しい花であればあるほど申し訳ない気持…

お米と日本酒は似ている・その2

先日、お燗と料理のペアリングが楽しめる「高崎のおかん」で食事をして、お燗と炊飯が似ていることに気づいた。 店主の高崎丈さんが燗をつけると、冷酒や冷やで飲むときとは味わいが変わる。どの温度までどうやって上げていくか。燗のつけ方が味わいを左右す…

掘るほどに出てくるお米の魅力、まずは思いつくままに〜私はお米に救われてきた〜

ウクライナ侵攻の影響で資源や食料価格が高騰している。日本では近年、お米の消費量が減り続けているが、小麦価格の高騰を受けて米食を見直そうという声もある。お米は身近な存在すぎるがゆえ、なかなかその魅力に気づきにくいが、これを機にお米の魅力を掘…

お米と日本酒は似ている・その1

「『精米したて』は本当においしい?」でも書いたが、お米は精米当日よりも、精米から5日くらい経ってからのほうがおいしいと思っている。 最近は日本酒でも、同様に開栓当日よりも、数日経ってからのほうがおいしいと思えるものにいくつも出会い、日本酒の…

夏休みにおばあちゃんちで食べた朝ごはん

ごはんがおいしかった記憶を遡っていくと、小学生の頃の夏休みに信州の母の実家で食べた朝食を思い出す。 当時住んでいた関東の家に比べて朝は涼しく、網戸からは気持ちのいい風が入ってきた。祖母が用意してくれた子ども用の小さな平たい茶碗によそられた炊…