柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

摂食障害時代のこと・その4「塩がこわい」

「摂食障害時代のこと・その3「入院を拒否」」の続き なんとか死なない程度の体重まで戻していたが、それに反比例するように、食べられるものの幅がどんどん狭まってきた。食品だけでなく、調味料の一切を受け付けられなくなってしまったのだ。 自宅療養だっ…

足音を聞いて育つ稲

新潟県のある米農家は、農業を始めたころ田んぼに向かっていると、駄菓子屋のおばさんから「よく田んぼを見て回るね。稲は人の足音を聞いて育つって昔から言うたもんだ」と声をかけてもらったそうだ。 この話をあるワインソムリエにお伝えすると、オレゴン州…

さみしいおむすび

「ふりかけは混ぜたくない」で書いたが、ふりかけを混ぜたおむすびがあまり好きではない。 ところが、子どもの頃にスイミングや水泳部の試合で母が持たせてくれるおむすびは多くの場合ごはんにふりかけが混ぜられていた。 それだけでなく具まで入っていた。 …

ふりかけは混ぜたくない

3歳の娘が「ふりかけのかぜ」(文・ねじめ正一/絵・伊野孝行)という絵本をきっかけにふりかけごはんが大好きになった。昨年秋から長くブームが続いている。 福音館書店「こどものとも年少版」定期購読の絵本。読むとふりかけごはんが食べたくなる。 子ど…

摂食障害時代のこと・その3「入院を拒否」

摂食障害時代のこと・その2「病気に気づく」からの続き 心療内科で「出勤停止」を言い渡された後、医師の指示で一人暮らしのアパートから実家へ戻った。たしかにあのまま一人で暮らしていたら本当に命を落としてしまっていたかもしれない。 当時はごはんを食…

お土産の楽しみは「買わなそうなもの」

夫は東京へ行くと、いつも「あなたが買わなそうなものだから」と言ってお土産を買ってきてくれる。 これまでに買ってきたのは、 ◆「合格祈願米」 (福島県白河市産コシヒカリで、白河市産だるま付き) ◆「大天狗 宇宙酒 純米吟醸」 (福島県本宮市「大天狗酒…

摂食障害時代のこと・その2「病気に気づく」

摂食障害時代のこと・その1「書こうと思った理由」からの続き 身長157cmで31kgまで体重が落ちたときは、見るかげもないほどガリガリだった。 頰はこけて、顔は青白かった。脚は「ポッキーみたい」(母)と言われた。 朝起きるたびに気を失って倒れていたが、…

冷めた煮えばな、炊きむらのある白飯

先日、渋谷区エリアで土鍋ごはんがウリの和食店に行った。 コースの途中で煮えばなが出てきた後、締めに白飯が食べられる。 楽しみにしていたのだが、出てきた煮えばなは冷めていてアルデンテ。 リゾットやパエリアのアルデンテはおいしいが、白飯のアルデン…

摂食障害時代のこと・その1「書こうと思った理由」

「摂食障害でお米を食べることができない」という相談を何度かいただいたことがある。 私は過去に摂食障害に陥り、31キロまで体重が落ちたことがある(身長157cm)。お米だけは安心感があって食べることができ、いわばお米が命を繋いでくれたわけだが、特定…

「正月は特別だからな」

「一年の計は元日にあり」という言葉は「物事を始めるにあたって最初にきちんとした計画を立てるのが大切」という意味のことわざ。 1月7日で松の内が明ける そうわかっていても「一年の計は元旦にあり」という言葉は文字面をそのまま受け止めると「精神的に…