柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

コメを詠む

夕暮れと夜の境目に目を凝らす鳴き始めるのはどの蛙から?

夕暮れと夜の境目に目を凝らす鳴き始めるのはどの蛙から? 田舎の祖母の家は、庭を挟んですぐ田んぼがあった。 小学生の頃、夏休みになると遊びに行った。 朝も夜も気づくと網戸にカエルが貼り付いている。 犬や猫は苦手だったが、カエルは大好きになった。…

泳跡波消えた静かな田んぼ見て「かもさん、しずんで、おかいものいった」

フリー素材 泳跡波消えた静かな田んぼ見て「かもさん、しずんで、おかいものいった」 家の前の田んぼにはときどき鴨がやってくる。 いつのまにどこからか現れ、しばらくの間泳いでいたかと思うと、いつのまにいなくなっている。 どこかに飛んでいったのかな…

若苗の櫛跡に映るあの町は 逆さまワンダーランドの朝が始まる

フリー素材 若苗の櫛跡に映るあの町は 逆さまワンダーランドの朝が始まる 田んぼに整然と並ぶ苗の青が日に日に濃くなっていく。 朝ごはんを食べながら田んぼを見やると、制服を着た中学生が逆さまに通り過ぎていく。 山も家も車も自転車もみんな逆さま。

左手の上の小さな茶碗の山盛り飯 舞い降りたのはむらさきの風

左手の上の小さな茶碗の山盛り飯 舞い降りたのは紫の風 以前に書いたが、娘は「ふりかけの風」(文・ねじめ正一/絵・伊野孝行)という絵本を読んで以来、ふりかけが大好きになり、ふりかけだけで白飯を3杯食べることもできる。 「ふりかけむら」に「ふりか…

逆さまに磐梯山にじむ水鏡 娘が見つけた「こめつぶ」3粒

逆さまに磐梯山にじむ水鏡(みずかがみ) 娘が見つけた「こめつぶ」3粒 5月15日、田んぼに水がやって来た。 朝起きると磐梯山が逆さまに映る田んぼを眺める。雲がかかったり霧が出ていたりして頂上が見えない日のほうが多いので、とんがり頭が見えた日はそれ…

絡まれば醤油の糸も飯粒も絡み絡まれ小粒納豆

絡まれば醤油の糸も飯粒も絡み絡まれ小粒納豆 納豆ごはんを毎朝食べている。毎日飽きもせずに。この朝食が定番になってからいったい何年経ったのだろう。 付属のタレは使わず、味付けは醤油か手作りポン酢。納豆の豆そのものもおいしいが、醤油をまとった糸…