お酒を飲むと、しめにごはんを食べる人もいるけど、多くの場合はお酒と料理だけでお腹がいっぱいになり、ごはんを食べない人もいる。
もしかしたら、お酒がお米の消費を下げているんだろうか?
とは言え、お酒を飲むのはやめようなんて言えないし言いたくないし、私もお酒が飲みたい。
ならば、ごはんを食べながらお酒を飲めばいいのでは?という名案を思いついた。
実際に、鮨を食べながらお酒を飲む人はいる。
昨年、トルコでお米の取材をしているなかで、ドルマスというお米料理に出会った。トルコ人はそれを食べながらワインを飲んでいた。
ドルマスとは、貝殻や野菜の中にピラフを詰めたもの。
ごはんを食べながらお酒を飲んでいるトルコ人を見て、お米とお酒のペアリングは可能だと確信した。
そして、先日、東京・新橋の懐石料理店「高野」で、その確信はさらに強いものとなった。
鯖の棒鮨を食べたときに勧められたのが、なんとマデイラ酒(マデイラ・ワイン)。ポルトガルのマデイラ島で造られ、発酵途中でブランデーを添加したアルコール度数の高いお酒だ。懐石料理とマデイラ酒のペアリングが楽しめるお店は、きっとここだけではないだろうか。
食べて飲んでみると、衝撃が走った。
鯖の棒鮨とマデイラ酒は似ている!!!!!!
シャリに使った赤酢の旨みが濃厚な鯖の棒鮨の発酵感。
マデイラ酒の良い具合に出ている酸味と上品な甘み。
このマデイラ酒は、この鯖の棒鮨のためにあるのではと思ってしまうほど、両者の味の方向性が似ていた。
トルコでドルマスを食べたときに考えたのが、日本のドルマスは何だろうかということ。そして、すぐに思いついたのは、「いなりずし」と「いかめし」。まず注目したのは、いなりずし。あらゆるお酒に合うような気がしてならない。マデイラ酒もいけるような気がする。
というわけで、近いうちに「いなりずし×お酒」のペアリングの実験をすることにした。
しかも、スペシャルゲストがご一緒してくださることに。スペシャル!!!
いなりずしを食べながら、お酒を飲む。こんなステキな文化が広がったら、お米の楽しみの幅がまた広がるなあ。うふふ
(柏木智帆)