柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

大晦日の晩ごはん

2日前からちょこちょこと準備をしてきたおかげで31日の朝にはおせち料理作りが完了した。ランチは夫と一緒に近所の定食屋へ。“ケの玉子丼”を食べ納めた。

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玉子丼たべおさめ


大晦日の夜は夫の実家へ。私は自分の母がいつも作っていた煮しめ、ユリネの梅肉和え、たたきごぼう、浸し豆、きんとん、なます、かぶの甘酢漬け、きんぴらごぼうなどを持参する。ちなみに、自分の実家では、ここに鮭の酒粕煮、焼き海老、黒豆煮、花豆煮、かまぼこ、伊達巻き、田作り、酢だこなども加わる。私が生まれ育った関東ではおせち料理は元旦から食べ始めるようだけど、母が生まれ育った信州では、大晦日の夜からおせち料理を食べ始める。そのため、大晦日の夜が一番のごちそうだった。

 

会津地方の夫の実家では、大晦日はお母ちゃんが納豆、赤い魚(焼き鮭)、大根おろしなどを用意してくれている。「餅なし正月」の論文を見ても、「納豆」「赤い魚」「サケ」「マス」などを食べる家が多かった。やはり夫の実家は餅なし正月なんだなあと実感。おせち料理は食べないそうだけど、昨年から私が煮しめなどを持参して、自分の食文化を持ち込んでいる。そして、年越しそばは手打ちの生そば。夫の実家の周辺にはそば打ちが趣味の方が多く住んでいる。そして、この地域のそばは十割が当たり前。夫の実家では、夫のおじさんと、夫の友人のサトシさんからプロ級の十割そばをいただくので、そば屋で食べるようなおいしいそばが食べられる。

 

大晦日や正月は地域や家庭の食文化の違いが如実にあらわれる。スーパーの広告を見ると、実家の湘南も嫁ぎ先の会津もあまり違いがないように見えるけど、ふたを開けると同じ日本でこんなにもさまざまな文化が存在している。日本の食文化はまだまだ多様で豊かだなあとうれしくなる。