柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

炭酸水でごはんを炊く

ソーダメーカーのCMで炭酸水でごはんを炊くとおいしいと言っていた。

 

インターネットで検索すると、炭酸水で炊飯すると「ツヤツヤふっくら」「もちもち」「ツヤもちふっくら」「冷めてもやわらかい」などなど書かれている内容はどれも良いことづくめ。ある記事には「炭酸の泡が米粒を立ち上がらせながら均等に熱を伝えるので、べちゃっとせず、ふっくら炊きあがる」と書いてあるけど、どうもよくわからない。

 

そこで、実験してみた。

 

浸水は普通の水(南アルプスの天然水)。炊飯は炭酸水(南アルプスの天然水スパークリング)。なぜならば、浸水はいつも6時間ほどかけるから。

 

以前に行った炊飯実験で、冷蔵庫で6時間浸水したものよりも、冷蔵庫で30時間浸水したもののほうが旨みがしっかりと出た。ただ、いつも30時間浸水させるのは大変なので、ベストと言われることが多い3時間浸水ではなく、6時間で浸水するのが常となっている。

 

今回は6時間も浸水させたら炭酸が抜けちゃうので、浸水は普通の水にして、炊飯するときに炭酸水に取り替えることにした。浸漬水に流れた旨みは逃げてしまうけど、今回は目をつむる。同じ型の炊飯器2台で普通の水と炭酸水で早炊きした。

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同型の炊飯器2台で比較実験

結果、ふたを開けた瞬間は、普通の水はふっくらして見え、炭酸水はつぶれているように見えた。あらら?しかし、ツヤは同じ。食感は、普通の水のごはんはおねばがあって甘みがあり、炭酸水のごはんは粒がしっかりと張っていて甘みがある。粒がしっかりめのごはんが好みなので、おお!たしかに炭酸水炊飯はおいしいかも?と思ったのもつかの間、冷めてきたら普通の水のごはんも粒がしっかりとしてきた。そして、普通の水のごはんは冷めても舌触りがなめらかなままだったけど、炭酸水炊飯のほうは舌触りが悪くざらついてきた。保水膜が少なく、水分の飛びが早いのだろうか。

 

まだ1回しか実験していないので、なんとも言えないけど、炭酸水炊飯ってそんなに良いのかなあと疑問を抱いている。ただし、あくまで途中経過。炊飯器も同じ型とは言え、誤差があるかもしれない。何か手順に問題があったのかもしれない。比較実験はむずかしい。実験はゆるやかに続く。