柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

玉子丼が食べられない

あんなに好きだった玉子丼を食べたいと思えなくなった。いつも気持ち悪い。風邪でもひいたのだろうか…と思ったけど、どうやら風邪ではなさそう。電車の中で吐きそうになりながら、あーつらい、あーつらい、と思いながら生活していたら、妊娠2カ月だった。

 

思い起こせば、年明けくらいから味の好みや感じ方に変化が出始めた。いつもは好きなシャケおむすびがしょっぱく感じられたり、正月に実家に帰省したときは、あんなに好きだった煮しめにいつもより箸が伸びず、かんぴょう巻にも箸が伸びなかった。

 

私はつわりによって甘じょっぱいものが苦手になるタイプらしい。でも、なぜか蕎麦や素麺は大丈夫。つるっとさわやか。

 

炊きたてごはんの香りがダメという妊婦もいるそうだけど、私はあいかわらずごはんが好きなままで良かった。ごはんが食べられなくなったら悲しすぎる。今は納豆ごはんがやたらとおいしい。エブリデイ納豆ごはん。

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あまりにもおいしい納豆ごはん

おむすびは昆布とか佃煮とか甘じょっぱい具が苦手になった。塩を効かせた塩むすびがいい。

 

驚くべきことに、先日ある生産者のコシヒカリを食べたら、苦く感じた。いつもおいしいお米なのに、いったいどうしたのだろうか。夫が食べるのを待って「このお米、苦くない?」と聞くと、「苦くない」。夫の味覚を信用しているので、この生産者のお米が苦くなくてほっとしたのと同時に、自分の味覚がいつもと違うことに不安を覚えた。

 

先日有機栽培の肥料と堆肥の取材で、虫も人間も腹に卵(子)を抱えると嗅覚が敏感になるとは聞いたけど、味覚も変わるのだろうか。

 

食べられるものと食べられないものがその時のつわりの重さでころころ変わるけど、次に定食屋に行ったときは玉子丼ではなく、目玉焼き定食(正確にはハムエッグ定食のハム抜き)の目玉焼きとポテトサラダと千切りキャベツに醤油をまわしかけて大盛り白ごはんを頬張りたい。