柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

つわりの意味

意外においしいと気づいてオレンジジュースを飲むようになったら、今度は気持ち悪くなり、オレンジジュースが少しこわくなった。体調によっては味噌汁も飲みたくないときがあるけど、ごはんの隣に味噌汁がないとなんとなくさみしいのでちょっとだけ飲む。インドカレーを食べたら体調が悪くなり、もう辛いものを求めることはやめ、きんぴらごぼうの炒め油を辣油から胡麻油に戻した。

 

私は食べられるものがどんどん減ってしまうのでは…と少し不安に感じるなか、納豆ごはんや素麺は裏切らない。そして、もう一つ見つけたごはんのおともは、焼き海苔。微妙に食欲がなくても、焼き海苔でごはん巻いて食べると、食べられる。いまのお気に入りは、「丸山海苔」の「こんとび」。厚くてパリっとした「大はしり」もおいしい。塩も醤油もいらない。

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ごはんと海苔だけでおいしい

 海苔でごはんをちびちびと巻いては口へ入れていると、母が甥っ子(姉の子ども)にごはんを食べさせてあげていたときに同じことをしていたなあと思い出した。甥っ子がごはんをなかなか食べなかった年齢のころ、ごはんを海苔で巻いてあげると、甥っ子は小さな手でそれをつかんで食べていた。

 

白ごはんのままだと食べないのに海苔に巻くだけで食べ始める甥っ子の気持ち。今ならばなんとなくわかるような気がする…と勝手に思っている。

 

妊娠してからは、すぐにお腹が空き、お腹が空くと気持ち悪くなるのに、ちょっとお腹いっぱいになると、また気持ち悪くなる。残しちゃいけないとか、いま食べておかないと後でお腹が空いてしまう…などと考えてお腹いっぱいに食べてしまうと、妊娠前は「あーお腹いっぱい」で済んでいたのに、今はすこぶる気持ち悪くなる。

 

甥っ子や姪っ子を見ていると、ごはんを食べたり食べなかったりムラがあるけど、子どもはきっと目や頭で食べずに自分の体調に敏感なだけなんじゃないかなあと思う。お腹いっぱいだったら食べない、胃腸の調子がすぐれなかったら食べない、お腹が空いてたら食べる。それを実践しているだけなのに、大人からは「食べたり食べなかったりムラがあるなあ」と見えるだけなんだと思う。

 

「もしかしたら、神様はつわりを通して子どもの気持ちを追体験させようとしているのだろうか?今は子どもの気持ちになってみる期間なのかもしれない!」。そう夫に言うと、「あなたは妊娠前からずっと子どもだ!」と言われた。