柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

硬水でごはんを炊く・その2

「軟水が炊飯に向く」と言われているけど、果たして本当なのだろうか?という疑問を抱き、「硬水でごはんを炊く」では、2種類の軟水でお米の炊き比べをしてみた。そして、「軟水で米粒の吸水速度を比べてみた」ではその原因を探るべく、吸水速度を比較してみた。

 

でも、炊飯実験は米質や気温や自分の体調などさまざまな条件によって結果が変わってしまう。そこで、まったく同じ炊飯実験を再びやってみた。

 

今回も炊飯に使うのは、硬度1.7mg/Lの水と、硬度63mg/Lの水。

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左が硬度1.7mg/Lの水で炊いたごはん、右が硬度63mg/Lの水で炊いたごはん

 

硬度1.7mg/Lの水は前回同様、お米に最初に触れた水がうっすら黄色みがかった白濁に変わる。理屈はわからないけど、お米の何かが溶け出しているのだろうか。

 

炊きあがりは、両者とも見た目や香りはほぼ同じ。前回のようにねちょっとまではいかなかったけど、硬度1.7mg/Lの水で炊いたごはんは気持ちふっくらとして軟らかい。指でつぶすと、本当に軟らかいことがよく分かる。

 

硬度63mg/Lの水で炊いたごはんは、硬度1.7mg/Lの水で炊いたごはんよりも若干硬い。と言っても、水道水の炊飯よりは軟らかいというか弾力や粒張りがいま一つのようにも感じる。ただ、硬度1.7mg/Lの水で炊いたごはんよりも若干硬いことでより噛むためか、甘さと旨みは若干強いように感じられた。

 

個人的には弾力があるほうが好きなので、硬度が低すぎる水で炊いたごはんは物足りないように感じた。

 

というわけで、「軟水は炊飯に合うといっても、軟水すぎるのはいかがなものか?」という結論に現時点では至っている。