柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

食べるための旅

旅はつねに食べものが目的。何か食べたいものがないと旅に出るモチベーションがわかない。

 

過去に何回か行った海外のお米取材の旅は、お米が目的なので、モチベーションたっぷりだった。台湾で駅弁発祥の「池上弁當本舗」の店を発見したときは、一人だったにもかかわらず「あった!あった!」と大声でさけびながら店へと走って行った。現地で取材させていただいた日本の弁当会社の社長からは「柏木さんは滞在中にどんどん元気になっていきますね。ついていけません」と言われた。お米に関する新しい料理や新しい発見に出会うたびに興奮していくからだと思う。

 

夫と一緒に行ったスペインのお米旅(新婚旅行)でも、行動の軸はほぼお米。米農家のもとへ行って田んぼを見せてもらい、いくつかのスーパーへでお米を見て、いくつかの自然食品店でお米を見て、いくつかの市場でお米を見て、いくつかのレストランでお米を食べて生米を見せてもらった。滞在中の食事のすべてどころか、行きの機内食から帰りの機内食まで、とても真剣に食べた(機内食はいつもジャイナ教のベジタリアンミール。偏食対策も抜かり無い)。

 

だからこそ、食べたいものがない土地には、旅に出るモチベーションがまったくと言っていいほどわかない。海外で言えば、お米がない国よりもお米がある国のほうがやはりわくわくする(「お米文化」がない国ではない。ヨルダンでは基本的にお米を食べないようだけど、ヨルダンのスーパーで販売されている各国のお米を見たときや、ヨルダン南部でビリヤニを食べたときにはとてもテンションが上がった。しかし、お米がない国をみることによって、お米がある国を客観的に見ることができて学びになるので、お米がない国も行く機会があったらきっと行く)。

 

というわけで、食べものを目指した旅が好きなのだけど、「出産後にはとうぶん旅に出られないであろうから、稲作が始まる前に安定期になったらどこかへプチ旅に出掛けたい」と夫に言い続けている。

 

どこが良いだろうかと考え続けているけど、なかなか良き案が出ない。しかも、つわりがある今の私のごちそうは、ごはんと海苔と塩だけのおむすびや納豆ごはんの他、素麺やうどんや蕎麦くらい。ならば新潟県の越後湯沢駅にある「爆弾おむすび」(1個1合)か「大爆おむすび」(1個4合)を食べてみたい!と思ったけど、それは自分で作ればいいじゃないか?とも思い始めた。

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フリー素材から発見した爆弾おむすびの写真。食べるとしたら具なしで米・塩・海苔だけのおむすびにしようと決めている

1年ほど前から英語の勉強をするためにディズニー映画を見てきたら、今さらながら「リトルマーメイド」や「白雪姫」や「美女と野獣」など(に登場する歌)が好きになってしまったので、大人になってからは一度も行っていなかったディズニーランドかディズニーシーに行ってみようか…とも思ったけど、ホームページでレストラン情報を見たら、食べたいものが一つもなかったのでやめた。

 

学生時代に青春18切符で旅した和歌山県・新宮市にて食べた「めはり寿司」がまた食べたいなあとも思うけど、お腹に赤子を抱えた今の私にとって和歌山県はあまりに遠い。

 

近場(東北)で私の旅欲(食欲)を満たしてくれる料理(特にお米)があるプチ旅先、どこかにないだろうか。