柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

ソーセージは肉じゃないのか

先日、ある喫茶店でランチをすることになり、スパゲティーナポリタンを注文した。
 
私は肉と乳製品が食べられないが、ビーフシチューやピザトーストなど、どのメニューにも肉や乳製品が入っていた。その中でも「抜き」がお願いしやすそうなのがナポリタンだった。
 
「ナポリタンのお肉と、上にかかっているチーズを抜いてください」と注文すると、店員さんが「お肉はベーコンが入っていますが、ベーコン抜きでよろしいですか?」と言うので、はい、お願いします、と答えた。
 
店員さんはオーダー確認で「ナポリタンのベーコンとチーズ抜きをお1つ」と言ったので、安心してナポリタンを待った。

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ナポリタンをおかずに白ごはんが食べたい
しばらくして、お待たせしましたとテーブルに置かれたナポリタンに、ベーコンとチーズの姿はなった。
 
しかし、4切れのソーセージが乗っていた。
 
ソーセージって肉じゃなかったのか。
 
あるいは、オーダーを取りに来た店員さんはナポリタンにソーセージが入っていることを知らなかったのか。あるいは、料理をした人が、ベーコンが嫌いなお客に気を利かせたつもりでソーセージを入れたのか。
 
笑いごとのようで、笑いごとではない。
 
先日はインド料理店で出てきた2種類のカレーの片方に乳製品が入っている雰囲気を感じたので、店員さんに乳製品が入っているかどうか尋ねた。
 
入っていませんと答えが返ってきたけど、ちょびっと舐めてみて、やはり乳製品の雰囲気を感じたので食べてるのをやめておいた。しばらくして、店員さんが「乳製品入ってました!」と慌てて謝りに来た。
 
私はちょびっと舐めてやめておいたけど、ちょびっと舐めただけでも後で気持ち悪くなってしまった。もしもアナフィラキシーを起こしてしまうアレルギーを持っている人だったら、店の存続に関わる大問題になっていたのではなかろうか。
 
飲食に携わる人は、たとえアルバイトであっても、提供しているメニューに何が入っているか認識すべきだと思う。
 
アレルギーでなくても、食べられないものがある人はいる。「好き嫌いなく何でも食べましょう」という教育は正しいようで正しくない。感じ方は人それぞれなのだから、食べものの好き/嫌い、おいしい/おいしくない、食べたくてたまらない/どうしても食べられないというのはあるのが普通だと思う。
 
まして、食とは極めて個人的なことであり、思想や育った環境や経験などによっては違うし、違うのは当たり前。
 
食べものの好き嫌いはその人の価値観として尊重したいと思うし、尊重すべきだと思っているし、世界の憂慮するべき飢餓とは別のレイヤーで考えることだと思っている。