柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

素麺をおかずにごはんを食べる

夏場になると大量の素麺をいただくことがある。すると、「素麺がたくさんあるから昼食は素麺にするか」となりがちだ。

 

もしもその家庭が朝はパン派だとしたら、昼に素麺を食べると、朝も昼も小麦食になる。もしも夕食にパスタやラーメンを食べたら1日に1度もお米を食べないことになる。

 

「素麺が食べたいから素麺にする」ならば何も言えないけど、「素麺があるから素麺でいいか」となってしまうことで、お米を食べる頻度が減ってしまうのはちょっと残念。

 

ならば、素麺を主食にするのではなく、素麺をおかずにすればいいじゃないか!と、ひらめいた。

 

これまで「素麺おかず」は素麺チャンプルーしか作ったことがなかったけど、実は瀬戸内海沿岸地域などの郷土料理「鯛素麺」をおかずに白ごはんを食べてみたい…と以前から常々思っていた。わが家は夫がベジタリアンなこともあり、茄子と油揚げで素麺を煮て「茄子素麺」を作ってみた。

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これがすこぶるおいしかった。なぜ私はこれまで素麺を素麺のまま食べることしか知らなかったのか。そう悔やむほどおいしかった。

 

たしかに暑い夏はつるつるとした麺類が食べたくなる。私も昨年の夏は昼食に素麺を作って食べる日もあったけど、やはりお米がないとお腹が落ち着かず、素麺におむすびを添えていた。この場合、素麺がメインでおむすびは付け合わせの立ち位置だ。

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でも、「素麺おかず」はあくまでもお米が主食になる。〝つるつる欲求〟も満たされる。

暑くて食欲がわかない時に無理やり白ごはんを食べようとは言わないけど、この「素麺おかず」をつるつると食べれば、自然と白ごはんが欲しくなるに違いない。

 

ごはんは夏の主食の座を素麺に奪われがちだったけど、素麺をおかずにするだけでごはんが主食の座をキープできる。素麺、なんていいやつなんだろう。