柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

おべんとうばこのうた・その4

おべんとうばこのうた・その1」「その2」「その3」と書いてきたが、読んでくださった方から正しい歌詞の情報をいただいた。

 

その方は、作詞された香山美子さんのホームページを見て新事実を突き止めていた。

 

一つは、「♪ごましおふって」ではなく「♪ごまふりかけて」だということ。

もう一つは、「♪さくらんぼさん」ではなく「♪さんしょうさん」だということ。

 

いずれもとても納得した。

たしかに赤飯ならばごま塩が定番だけど、幕の内弁当や崎陽軒シウマイ弁当のごはんには、ごま塩ではなく黒ごまがかかっている。

そして、個人的にはお弁当にフルーツやプチトマトなどを入れることが好きではないので、さくらんぼではなく山椒が登場してますます好みのお弁当に近づいた。山椒味噌もおいしそうだし、山椒の佃煮もおいしそう。フルーツやプチトマトは、他のおかずの汁やあぶらが付いてしまったり、生ぬるくなってしまったりするので、できればお弁当には入れたくない。どうしても入れたい場合は別容器に入れたい。

 

私の母は私が幼稚園生の頃からお弁当の彩りを気にしてくれるタイプで、いつもおかずは赤緑黄茶色と華やかだった。小学生、中学生の頃は給食だったが、高校生になると再びお弁当になり、また母が毎日お弁当を作ってくれていた。いつも残さず早弁していたが、大人になってから母との会話でお弁当のおかずの話題になり、「じつはお弁当のプチトマトは生ぬるくて苦手だったんだよね」と言ったら「言ってくれたら入れなかったのに〜」と言われた。反動か、今は茶色いお弁当が好きだ。

他にも、小学生の頃にスイミングの試合で母が持たせてくれたおむすびには、なぜかふりかけを混ぜたごはんに具も入っていた。ふりかけごはんならば具はいらないなあと思いながらも残さず食べていた。そのことも大人になってから母に言うと、「ふりかけごはんでも具がないとさみしいと思って」と言われた。反動か、今はシンプルな塩むすびが一番好きだ。

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家庭の食卓に出ていた母の料理は好きなものばかりで今もレシピを母に聞いて作ってみたりするが、外に持参していたお弁当やおむすびになると、なぜか母が作ってくれたものとは違うものを求めてしまう。おそらく、お弁当やおむすびを作るときだけ、母は人目を気にしていたからではないだろうか。彩りを気にしたお弁当は冷凍食品も活用されていたが、私はそれがあまり好きではなかった。

大学生になってからは、ときどき母が作った前の晩のおかずの余りを自分でお弁当に詰めてバイトに持って行ったりしていたのだが、それは茶色くて好みのお弁当だった。

 

当時、「これは入れないで」と母に言えなかったのはなぜなのか覚えていないが、おそらく冷凍食品を使っていても母が私のことを考えてお弁当を作ってくれていると感じていたからではないかと思う。おむすびも彩りを考えてふりかけを選んでくれていたのだろう。

 

大人になった今、冷凍食品やふりかけなどの既製品は好きではないので使わないが、料理には既製品を使っていてもちゃんと愛情を込めることができると母のお弁当とおむすびから教わった。