柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

利き米には禅椀

会津漆器ブランド「めぐる」の禅椀に一目惚れ。漆器でごはんを食べるおいしさにも開眼した。
茶道具の棗のような形状なのできっと白ごはんの香りが感じられやすいに違いないと思ったら本当にその通りだった。平茶碗では感じづらかったわずかな香りが分かりやすくなった。利き米には禅椀が最適。

f:id:chihoism0:20211127072554j:image
そして、めぐるの貝沼航さんによると、吸湿性があるのでおひつのようにごはんの余分な水分を吸ってくれる他、保温性があるのでごはんの熱が逃げづらく、器を手で持ちやすい。つや消しの漆器の表面に映る照明が「おぼろづきのよう(貝沼さん)」と聞いたらますます美しさを感じて買わずにはいられなかった。手触りもとても良い。
漆の実からできた和ろうそくも見せていただき、その製法を教えていただいたり、会津若松市にはたくさんの職人さんがいることも教えていただいたりと、会津漆器の魅力を堪能したひととき。私が好きな漆器は木地溜塗りという名であることも教えていただいた。次は木地溜めのお皿が欲しい。
先日のビリヤニ会で貝沼さんと出会い、3つの皿と器の金継ぎをお願いして、受け取りに訪れた会津若松市「紺と種」母屋のギャラリーで禅椀に出会い、日々の何かは何かにつながってゆくんだなあと思うと、改めて日々の小さな一つ一つを大切にしていきたいと思うのであった。