柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

こども弁当の決まりごと

今年の4月から2歳の娘をこども園に通わせ始めた。

しかし、娘はなかなかのアレルギー体質。

小麦アレルギーであること。

乳製品アレルギーであること。

胡麻は摂取量が多いとアレルギー症状が出てしまうこと。

卵は自宅で微量しか食べてくれなかったため摂取量によってはアレルギーが発症するかもしれないこと。

こんな理由で、こども園の給食では小麦・乳製品・胡麻・卵の除去が必要になり、当然ながら「対応は難しい」とのことで、お弁当持参になった。

そこで、自分が無理しないながらも娘においしいと思ってもらえるお弁当を目指し、5つのお弁当ルールを作ったら、お弁当作りは思ったよりもしんどくなかった。

①ごはんは7割

娘はごはんが大好き。おかずは残しても、ごはんは一粒も残さずに食べてくる。本当はごはん好きな娘のためにはごはんの割合を8割にしたいけど、弁当箱の仕切りの形状上、7割弱しかごはんが入らない。現在のごはんの量は150グラム。できれば180グラムくらいは入れてあげたい。ごはんが8割入るこども用弁当箱を開発したい。ごはんの割合が多ければ、おかず作りの悩みは縮小される。

②肉なし

私は肉が食べられないし、生肉を触るのが嫌で調理もできない。夫はベジタリアンで肉と魚を食べない。娘が肉を食べる機会がないことを心配する人もいるが、なぜ心配するのかよくわからない。成長すれば外食などで必ず肉を食べる機会はやってくる。そのときに娘がおいしいと思えば食べれば良いし、苦手だと思えば無理して食べることはない。お弁当に無理をして肉料理を入れても余った料理を食べる人がいないのでそもそも肉料理は採用しない。

③おかずは1〜2品

私はいろいろなおかずが少量ずつたくさん入っているお弁当よりも、好きなものが1種類入っているお弁当が好みなので、夫のお弁当もおかずはいつも1〜2品。そもそもごはんが7割弱入っているのだからおかずのスペースは狭い。カレーのときは1品で、それ以外は2品になっているので、おかずを考える労力が省力化できる。娘は先月から卵の摂取量が増えても問題ないことがわかり、卵がNGではなくなったので、2品のときは、メインが魚か厚揚げか卵で、サブは野菜か厚揚げか卵。親の偏食&娘のアレルギーのおかげで、お弁当に入れられるものが限定されているので、何を作ろうかという悩みは少ないほうだと思う。

④ごはんが進むおかず

お弁当のおかずはごはんが進むものに限る。マヨネーズを添えたブロッコリーとか、甘い卵焼きとか、パセリとか、プチトマトとか、そういうものはごはんが進まないのでお弁当には入れたくない。かぼちゃだったら煮物よりもきんぴらのほうがごはんに合うし、卵焼きだったら塩味のほうがごはんに合う。食べるとごはんがほしくなるようなおかずがお弁当にはふさわしい。

⑤彩りは気にしない

色とりどりだからおいしいわけではない。ぬるくなったプチトマトがおいしいとは思えないし、揚げ物の下でしわしわになったレタスもおいしいとは思えない。むしろ、茶色いおかずはおいしい。茶色弁当を肯定する「今日も茶色弁当!」とかいうタイトルのお弁当レシピ本があったら絶対買いたい。

娘に好評だったブリとじゃがいものカレーと白飯。タクコ(ターメリック・クミン・コリアンダー)と玉ねぎとトマトで作ったグレイビー(印度カリー子さんのレシピ)さえあれば、アレンジ自由自在で手軽で簡単。

こんな決まりごとのもと、3ヶ月にわたって娘のお弁当を作り続けてきたが、冷凍食品や電子レンジを使うことなく、かと言って無理することなく、続けてこられている。

おやつやデザートは、蒸しいも、せんべい(原材料:米・玄米・(塩))、果物(バナナ・ぶどう・いよかん・パイナップルなど)をぐるぐるローテーョンで回しているだけ。

こども園の給食を見て、みんなが「豚肉のカレー風味焼き」のときは「ゆで卵とじゃがいものカレー」、みんなが「さわらの味噌照り焼き」のときは「ぶりの味噌照り焼き」、みんなが「バナナ」のときは「バナナ」というふうに、なんとなく方向性が似たようなメニューにしたり、同じにメニューにしたり、無理ならまったく違うメニューにしたり。まっさらな状態からメニューを考えるのは大変だが、給食献立を参考にできるので、何を作ろうかという悩みが軽減される。

白飯・厚揚げ甘辛焼き・割り大根の煮物


先ほど書いたように娘は卵がOKになり除去すべき食品が4つから3つになったので、3つを除去した給食を提供してもらってお弁当をやめることもできるが、アレルギー体質で未摂取食品もあるため、もう少しお弁当で様子を見ましょうと医師から言われた。それもいいかなと思えるのは、お弁当の写真と献立をまとめておいて将来娘に見せてあげたいと考えているから。私は幼稚園時代に母が作ってくれたお弁当の中身の記憶がおぼろげなので、母は幼い私にどんなお弁当を作ってくれていたのか非常に興味深いと思っていた。

春から作り続けている娘のお弁当は7月2日の今日で48食目。たくさん作った気になっていたが、まだ48食。ここまで来たら100食は作りたいという謎の意欲が湧いてきたので秋まではこのまま頑張ってみよう。