柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

白ごはん.comの神レシピ

3歳の娘はアレルギーが多い。こども園は給食が出るのだが、除去食に対応しきれないとのことで毎日お弁当を持参している。

そして食べてくれるものが極端に少ない。

いま娘が食べるものは、主食では、白ごはん、塩むすび。おかずでは、かぼちゃ塩煮(醤油や味醂の定番煮は食べない)、茹で卵(味玉や茹で卵の煮物も食べる)、厚揚げ甘辛焼き、鯵の干物、焼き塩鮭(塩鱒も食べる)くらいだ。

そして、なぜか鯵や鮭は家では食べるのに、お弁当に入れると食べてくれない。逆に、厚揚げ甘辛焼きはお弁当に入れると食べるのに、家では食べてくれない。

そのため、お弁当のおかずは、カレー味玉、厚揚げ甘辛焼き、かぼちゃ塩煮の3種類をローテーションしている。

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このうち、カレー味玉と厚揚げ甘辛焼きは、和食レシピサイト「白ごはん.com」で知られる料理家・冨田ただすけさんのレシピ。以前から冨田ただすけさんのレシピは好きだったけど、娘のお弁当の救世主となってからは感謝の念さえ抱くようになった。

ネットで「こどもレシピ」を検索すると、だいたいケチャップ、マヨネーズ、チーズ、揚げ油などを使ったレシピが出てくるが、ちょっと安直に思えてしまう。たとえば野菜を食べないからといって油脂や砂糖で素材の味をマスキングしてまで食べさせても、素材の栄養よりも油脂や砂糖の弊害のほうが大きいのではないだろうか。子どもが喜んで食べさえすればいいわけではなく、まずは健康がなによりも大事だと感じる。

甘辛い味付け、ちょい足しカレー風味、素材の味を味わう、といったふうに、子どもの健康に配慮しながらも子どもが喜ぶレシピ本やレシピサイトがあったら嬉しい。そして、その料理の中心には白ごはんと味噌汁がある…と考えていたら、まさに「白ごはん.com」じゃないか!と気づいた。

もしもカレー味玉と厚揚げ甘辛焼きに出会えていなかったら、私はお弁当に入れるおかずがなくて困り果てていたか、残される覚悟であれこれ入れていただろう(実際あれこれ入れていた時は残食率がめちゃくちゃ高かった)。そう考えると、この神レシピに感謝の雨アラレなのである。

ちなみに、白ごはん.comはすべてが子ども向けではないが、子どもの健康に配慮しながらも子どもが喜びそうなレシピがたくさんのっている。厚揚げ甘辛焼きは、こういう名前のレシピが紹介されていたのではなく、2014年に発行された「おとなの『ひとりごはん』」(日経おとなのOFF特別編集 日経ホームマガジン)に紹介されていた「厚揚げ甘辛丼」を参考にした。

これから私はカレー味玉と厚揚げ甘辛焼きをひたすら作り続けることになるだろう。飽きっぽい娘がいつまでこのレシピを好きでいてくれるかわからないけど、大人になった時に「ママのお弁当にいつも入っていたあれが食べたい」と言ってくれたら、この悩ましいお弁当作りも報われるように思う。