夫は東京へ行くと、いつも「あなたが買わなそうなものだから」と言ってお土産を買ってきてくれる。
これまでに買ってきたのは、
◆「合格祈願米」
◆「大天狗 宇宙酒 純米吟醸」
(福島県本宮市「大天狗酒造」の日本酒で、宇宙から帰ってきた福島県オリジナル酵母「うつくしま夢酵母」を使っている)
(福島県二本松市「人気酒造」の日本酒。メフィラス星人が釜場担当、ガッツ星人が麹担当、メトロン星人が仕込み担当らしい)
日本酒については、私が宇宙系に興味がないことを知っているからこそのセレクト。
だるま米は「キューブ型の真空パック米にシズラナイ」と常々話しているからだろうか。合格祈願するものが何もないからだろうか。あるいは、モノを増やしたくないことを知っているからだろうか。真相は聞いていない。
ちなみに、買ってくる場所はいつも福島県物産館「日本橋ふくしま館MIDETTE」なので、どれも福島県産。福島県民に福島県産を買うってどうなの…と思いがちだが、あながちそうとも言えない。福島県は浜通り地方・中通り地方・会津地方と気候風土や食文化もさまざまで、会津地方から浜通り地方まで行こうとするとずいぶん遠い。知らないものや食べたり飲んだりしたことがないものがいっぱいで、MIDETTEへ行くと福島県の広大さや多彩さに驚かされる。
夫のお土産のセレクト方法に話を戻すと、一般的には「あなたが好きそうだから買ってきた」という人のほうが圧倒的に多いだろう。
「買わなそうだから買う」という選択が成立するのは相手の好みに精通していることが必須条件。つまり、「まるっきり買わなそうなもの」ではなく「あまり買わなそうなもの」であることがポイントで、たとえば私の場合、お米と日本酒は好きだけど、スイーツとか肉とか乳製品とか苦手なものをもらっても困る。「買わなそうだから買う」というのはは、実は高度なセレクト方法なのかもしれない。
ちなみに、「大天狗」も「地球侵略」もそれぞれ「意外にも」おいしかった。
夫も「思ったよりも」うまい、と言っていた。
なぜ、「意外にも」「思ったよりも」という言葉が口をついて出てくるか。
それはこのラベルやパッケージがあまりおいしそうに見えないからだろう(私見)。
それでも飲むとおいしい。意外性もまた魅力。
夫のおかげで私一人では出会えなかった日本酒に出会うことができたわけだが、そういえば、お土産の楽しさってこういうところだよなあと改めて目を開かされた思いになった。