柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

パックごはん選手権・赤飯の部

パックごはんが人気なのは知っている。いろいろなパックごはんの白飯や玄米を試した。でも、どうしても好みのものに出会えなかった。

だから「セブンプレミアム」の「小豆の自然な色と香り お赤飯」に出会ったときは驚いた。パックごはん特有のにおいがないのだ。

3歳の娘はお赤飯が好きで、たまに突然「おせきはんたべたい」と言う。そんなとき、パックごはんの赤飯はありがたい。「ごはんだよ」の呼びかけに娘が応じてくれないときも「お赤飯にしようか?」と聞くと、「うん!」と食卓に来てくれることもある。そんなわけで、少し前からわが家ではパック赤飯を常備することにしている。

それに、個人的にパックごはんの中でも赤飯は白飯や玄米よりもなじみやすいと感じた(あくまで個人の感想)。もち米の赤飯を自宅で蒸すとなると、もち米を一晩浸漬したり小豆(もしくはささげ)を茹でたりと手間がかかる。蒸し器を持っていない人もいるだろう(うるち米を混ぜれば炊飯器でも作れるけど)。

そういったアレコレを考えていると、パックごはんの赤飯は応援したくなる。

そんな経緯もあって、4種類のパック赤飯を食べ比べてみた。

セブンプレミアム 小豆の自然な色と香り お赤飯」

原料:「水稲もち米(国産)、小豆(国産)」

製造者:たかの(新潟県小千谷市

感想:パックごはん特有のにおいがないのが嬉しい。レンジアップしたてのごはんはかなり軟らかい。豆はほぼすべて割れている。冷めても表面が乾かずしっとりと軟らかい。印象としてはもち寄りの食べ心地。


「赤飯 新潟産こがねもち100%使用」

原料:水稲もち米(新潟県産)、ささげ(国産)

製造者:新潟県小千谷市「たかの」

パックごはん特有のにおいが若干あるが、気にならない人のほうが多そうな程度(気になる人は気になりそう)。ごはんの粒感があり、豆はホクホク。セブンプレミアムのお赤飯よりも若干ごはんが赤め。冷めると表面が乾きやすい。印象としてはうるち米寄り。

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左:「赤飯こがねもち100%使用」
右:「セブンプレミアム小豆の自然な色と香り お赤飯」

「おこわ米八 お赤飯」

原料:もち米(国産)、ささげ、食塩

販売者:プラス米八(東京都武蔵野市

製造者:城北製麺山形県山形市

感想:自然な赤飯色。豆が大きめでツヤあり。うっすらとパックごはん臭。ごはんの弾力は薄めで、ホクホクとした豆の存在感が際立つ。


「仁多のもち米 赤飯」

原料:水稲もち米(島根県仁多郡産)、小豆(国産)、食塩

販売者:島根県農業共同組合雲南地区本部頓原加工所(島根県飯石郡飯南町

製造者:城北製麺山形県山形市

感想:ごはんの赤色が強め。豆はマットな黒色でほぼ割れている。うっすらとパックごはん臭(気にならない人は多そうだけど、気になる人は気になる)。塩分が強めで個人的にはしょっぱい。「セブンプレミアム」の赤飯ほどやわらかくないが、粘り強く噛むともちもち。粒感は薄いが、弾力しっかり。そして、その弾力に紛れて豆を感じづらい。

左「おこわ米八 お赤飯」
右「仁多のもち米 赤飯」

香りでは①「セブンプレミアム 小豆の自然な色と香り お赤飯」が好み

粒立ちでは②「赤飯 新潟産こがねもち100%使用」

しっとり感では①「セブンプレミアム 小豆の自然な色と香り お赤飯」

弾力では④「仁多のもち米」が好み

豆のホクホク感では②

「赤飯 新潟産こがねもち100%使用」と③「おこわ米八 お赤飯」

しかしパックごはん特有のにおいがどうしても気になってしまう人なので、個人的にはごはんが軟かすぎると感じてもやはりセブンプレミアムを選びたくなる。