『「米騒動」を考える』でも書いたようにお米が品薄になっている。
「米不足」の報道を見て、ついつい買いすぎてしまった人もいるだろう。
お米は「乾物」と思われるかもしれないが、精米したお米は日持ちしない。
白米は、お米の脂質や、精米時にお米の表面に付着した糠の脂質が空気に触れることで、酸化が進む。酸化が進むと、いわゆる「古米臭」が発生したり、ツヤが薄くなったりする。保管温度が高いと顕著だ。
そういうわけで、お米をおいしく食べ続けるために、購入したお米はすぐに密閉容器に入れて冷蔵庫へ入れるのがマスト。ちなみに、お米を密閉する理由は「におい移り」「乾燥」「水濡れ」の防止で、冷蔵庫に入れる理由は「酸化」「劣化」の防止のため。
購入時の米袋ごと冷蔵庫に入れる人もいるかもしれないが、じつは小さな穴が空いている米袋がほとんどなので、米袋の上からジッパー付きのビニール袋に入れるか、冷蔵庫で保管できるような容器に入れることをおすすめしたい。
ちなみに私はお米が1キロほど入る100円ショップのパスタケースや、海苔用の袋、お米用の袋、ジッパー付きビニール袋などを使っている。
たしかにお米は水分含有量が15%ほどまで乾燥されてはいるものの、こうして見ると、「生鮮食品」とまでは言わずとも「半・生鮮食品」であることがわかる。
冷蔵庫に入りきらないほど買ってしまったという場合は、せめて冷蔵庫に入るぶんだけ入れて、冷蔵に入りきらなかったぶんから食べ始めるといい。
あるいは、もしも「冷凍庫ならば空いている」という場合、裏技として冷凍庫に保管するという手もある(冷凍庫のほうがスペースがないという人のほうが多そうだけど)。15%ほどの水分のお米は、家庭用レベルの冷凍庫の温度では凍らないという論文がある。
ただし、冷凍庫から出したお米をすぐに使うと、温度差でお米が割れてしまう可能性があるので、冷凍庫から出したお米を使う場合は、冷蔵庫に移して1日ほど経ってから使うことをおすすめする。
買いすぎて古米化してしまったという場合は、潔く炊き込みごはんに。秋刀魚ごはん、栗ごはん、里芋ごはんなど、秋は炊き込みごはんも楽しい季節。