「お米の消費は減っているのになぜふりかけの消費が増えているのか?」という疑問にはさまざまな意見がある。
総務省の家計調査によると、2024年の二人以上の世帯のふりかけ支出金額は前年比110.6%増とのこと。金額なので、必ずしも量が増えたわけではなく、単価が高いふりかけなど嗜好品化が進んでいる側面もあるのかもしれないとも考えた。
一方で、日本食糧新聞によると、2024年のふりかけの市場規模は3年前よりも52億円増の416億円と過去最高を更新。「のりたま」で知られる「丸美屋食品工業」は25期連続増収を達成しているそうで、ふりかけだけを見ると売上高は前年比6%増の259億円とのこと。先日、あるお仕事で初めて知ったのだが、丸美屋のふりかけはなんと100種類以上もあるらしい。みんなが知っている「のりたま」などの「ふりかけ袋シリーズ」のほか、「混ぜ込みわかめ」シリーズ、「ソフトふりかけシリーズ」と、実に多彩。
ふりかけの消費が伸びている理由として「時短」「おいしさ」「節約」が挙げられている。インフレ時代の家計の味方という意見は多く、たしかに「節約」という要因もないとは言えないが大きな要因ではないように思う。むしろ丸美屋に代表されるようなレパートリーの豊富さが消費の増加につながっているのではないだろうか。
お米の消費が減っている理由には、日本人の食の多様化も影響している。
そんな多様化した食生活に、うまい棒のようにいろいろなレパートリーがあって自分に合ったものを選べるというバリエーションの豊富さがマッチしているのではないだろうか。
そう考えると、多様化による「お米の消費減」と、多様化による「ふりかけの消費増」は矛盾していない。

また、食の多様化によって、ごはんにふりかけだけでも罪悪感を覚えないという人が増えたこともあるのかもしれないし、わざわざ鮭やたらこを買ってこなくても常温保存できていつでもさっと使える「さけ」や「たらこ」のふりかけがあれば手軽とか、おかずがなくても「すきやき」のふりかけをかければ満足できるなど、食の簡便化が進んでいることも大きな理由だろう。
ちなみに、「三島食品」の「ゆかり」は給食で「キャベツの赤しそ和え」や「きゅうりの赤しそ和え」など、ごはんではなくおかずに使われているらしい。
そういえば、訪日外国人がお土産に買って行くという話も聞いたことがある。
以前にフランス在住の方から「フランス人は白飯をそのまま食べず、『飯だれ』という甘い醤油をかける」と聞いていた(だからこそ、おむすびブームに驚いた)。また、日本の和食店の店主からは「料理はすべて食べてくれるけど、最後に赤出汁や漬物と提供する白飯は食べてもらえない」という聞いていた。
もしかしたら、ふりかけが増えているということは、日本でも白飯のままごはんを食べるのが苦手で何かをかけたりのせたりしたいと感じる人が増えたという側面もあるのかもしれない。フリー画像を検索していると、おかずがあってもごはんにふりかけがかかっているというお弁当が多いと感じる。あるいは、長時間保温などによってごはんの味が落ちてしまっているのだろうか。
それにしても、お米はうるち米だけで300種類以上と丸美屋のふりかけよりも種類(品種)が多いのだが、ふりかけのようにバリエーションを楽しむ人がまだまだ少ないのは、お米の味わいの違いがふりかけよりもわかりにくいからだろうか。