柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

梅宮大社の「神代穂」

夫が神代穂について調べていた。ネットで発見した論文によると、神代穂はいずれも「ジャポニカうるち」。しかし、京都市右京区の「梅宮大社」の神代穂だけが「インディカうるち」と書いてある。もしかしたら「大唐米」かなあと思ったけど、玄米の色は「淡黄褐色」と書いてある。しかも稲丈は2メートルもあるそうな。

これまでたまに私のお米取材に夫を付き合わせていたけど、今回は夫の取材に私が同行。2人で梅宮大社へ行ってきた。

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京都市右京区「梅宮大社」

宮司の橋本以裕さんにお話をうかがうと、なんと神代穂は「熱帯ジャポニカ米」だということが判明。「初期に日本に渡来した稲の形質を保っているかもしれない」と興奮する夫。さらに、倒伏した稲の節から根が出るそうな。「それって浮き稲では?」と私も夫も大興奮。橋本宮司によると、「船に乗って穂抜きした品種ではないか」とのこと。お話を聴かせてもらっていた神社の待合室には長い長い神代穂の稲が吊るされていた。この稲がかつて深い沼の中でゆらゆらしていたさまを想像してロマンを感じた。

もともとは2メートルあった背丈は、ここ数年は1.8メートルにしかならないそうだ。以前は発泡スチロールなどでいわゆる「バケツ稲」栽培だったが、10年ほど前に境内に地元農家さんと一緒につくったという小さな3畳ほどの御神田がかわいらしかった。ホースで水を入れるらしい。とっても素敵な田んぼ。

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小さな御神田と橋本宮司

梅宮大社は「酒造祖神」でもあるそうで、夫の「亀の尾」で造ってもらった仁井田本家の日本酒(蔵付き酵母・木桶仕込み「しぜんしゅOK」)と、夫が所属する自然栽培グループ「会津春泥」の「五百万石」で造ってもらった「高橋庄作酒造」の日本酒(純米吟醸「会津春泥」)を奉納。来年もおいしい日本酒ができますように。

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仁井田本家「しぜんしゅ」と高橋庄作酒造「会津春泥」を奉納

橋本宮司からは2008年に「宝酒造」が神代穂で仕込んで販売していた日本酒「神代穂」をいただいた。いつか神代穂も食べてみたい。

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ロマンたっぷり「神代穂」