柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2017-01-01から1年間の記事一覧

冷めた駅弁

「台湾にも駅弁がある」と聞いて驚いた。駅弁って日本にしかないと思っていた。学生時代は鈍行列車旅が好きだったこともあり、駅弁文化に魅力を感じる。そもそもお米が好きだからか、ただの食いしん坊だからか、「弁当」と聞くだけでわくわくする。 台湾の弁…

ポテサラ醤油の仲間たち

テレビ朝日「スーパーJチャンネル」のロケで大衆食堂巡りをした。 移動の車内で、リポーターの宮脇理恵子さんとポテトサラダの話題になった。 いつものように「ポテサラに醤油をかけるとおいしい」と話すと、「えー信じられない」と宮脇さん。でも、宮脇さん…

こしいぶきちゃん

ある会食でスペシャルに高級な日本料理店でごちそうになる機会があった。 出てくる食材はどれも旬のもので一流、料理もお酒もホスピタリティも店の設えもすべて一流。 で、お米料理が2品登場した。 1つが、鯖の棒寿司。 1つが、松茸ごはん。 お米の品種を…

栗ごはん考

栗ごはんが好き。 でも、栗ごはんを食べているとき、栗とごはんを一緒に食べていないことに最近になって気づいた。 栗は栗。ごはんはごはん。別々に食べている。 だったら栗ごはんにしなくてもいいじゃないか?と思うけど、やっぱり栗ごはんが好き。ごはんか…

メニューはページの後ろから

飲食店に入ってメニューを開く。 お酒を飲む場合は、まずは最初のページに登場する「本日のおすすめ」や「季節メニュー」や「前菜」から料理を選ぶのが一般的なんだろうと思う。 でも、ついついメニューを後ろからめくって「食事メニュー」を選びたくなる。 …

っぽい食べもの

子どもっぽい食べもの、大人っぽい食べものって定義はないけど、無意識になんとなく感覚で「っぽい」と決めているのはなんでだろう。 子どもっぽい食べものは、玉子焼きとか、かんぴょう巻とか、おいなりさんとか、あんみつとか、オムライスとか。甘いものや…

新幹線でぷしゅっ

新幹線に乗ると、無性にお酒が飲みたくなるのは何でだろう。 出張の帰りは、新幹線の発車時刻ギリギリでも、駅構内を走り回り、ビールや日本酒などをゲットする。 せっかく新幹線に乗っているにもかかわらずお酒を飲まないと、珈琲がおいしいと評判の喫茶店…

たかが白ごま されど白ごま

ざるうどんに白ごまがないと、おいしさが微減してしまう。 焼きなすに生姜がないと、おいしさが半減してしまう。 鰻に山椒がないと、おいしさが激減してしまう。 料理そのものの存在価値が揺らぐほどにおいしさに貢献している「立役者」って意外と多い。 か…

偉大なるカレーチャーハン

仕事(と趣味)で、古米の劣化具合の実験をした。お米農家さんから3年前収穫のお米、2年前収穫のお米、昨年収穫のお米を入手して、食べ比べ。結果は、秋に出版の季刊「自然栽培」にて。 で、古米が大量に余った。白ごはんで食べるのはちょっときびしい。そ…

ポテサラに醤油

ポテトサラダに醤油をかけると、一緒に食事をしている人から「うわ!」て言われることがたまにある。 どうやら、ポテサラに醤油をかけるのは、上品ではないらしい。そして、塩分過多で不健康極まりないらしい。 でも、父はポテサラにウスターソースをかけて…

ごはんにおでんつゆをかける

「かけめし(鮭)」を注文したら、ごはんの上に焼き鮭が乗せられ、最後になんと目の前のおでん鍋からつゆが注がれた。 「お茶漬け」はごはんにお茶をかける。「だし茶漬け」はごはんに出汁をかける。この2パターンしか知らなかったけど、この店の「かけめし…

焼魚のウラオモテ問題

料理の盛りつけってとても大事。同じ料理でも盛り方ひとつでおいしそうに見えればおいしくなさそうに見える。 その最たるものの1つが、焼魚だと思っている。 こんがりと焼いた皮が見える鯵の干物や鯖の塩焼きは、いかにもおいしそう。でも、これが裏返しに…

巻き寿司のキュウリとおいなりさんのごはん

おいなりさんが苦手だったけど、おいなりさんを好みの味で自作するようになってから、おいなりさんが好きになった。 おいなりさんが苦手だった理由は、お揚げが甘いから。きつねうどんのきつねも甘い。きつねうどんはカリッと炙った油揚げを乗せるだけでいい…

しゃけ茶漬け

料理って味だけでなく見た目が重要。 そう思ったのは、しゃけ茶漬けのしゃけのせい。 立ち飲み屋で友人がシャケ茶漬けを頼むと、ごはんの上に焼いたしゃけの切り身がどーんと乗ってきた。そのとき私はしゃけ定食を食べていたので、そのフォトジェニックなし…

商店街にあった「お米や」

2月末で閉店したおむすび屋「お米や」で1日限定のおむすびイベントが開かれ、おむすび作りを担当した。商店街にあるので、老若男女いろいろなお客さんがやってくる。 この日、多くのお客さんから聞かれたのが「またおむすび屋さん始めるの?」「おむすび楽…

老舗弁当人気のワケ

現代のライフスタイルに合わせた経木を販売している「SHOKUDESIGN」代表の佐藤小夜子さんと会ったとき、経木の匂いの話題になった。 SHOKUDESIGNの経木を製造しているのは、群馬県の「阿部経木店」。アカマツを使っているので、木の匂いが食品に移らない。さ…

遅咲きの卵かけごはん

卵かけごはんを愛してやまない。 でも、実は卵かけごはんを食べるようになったのは、30歳。いや、31歳だったかもしれない。 小さい頃から卵かけごはんが好きだった。にもかかわらず、生卵を食べるとお腹を壊していた。 好きなのに食べられないもどかしさ。 …

メインディッシュは揚げ出し豆腐

何度かおじゃましている飲食店で、友人と一緒に揚げ出し豆腐を2つ注文した。 まず先に、友人の前に揚げ出し豆腐が置かれた。 うっすらと半透明の衣がついた、揚げたてほかほかの絹ごし豆腐。もみじおろしと、刻んだ青ネギが乗っている。これは絶対おいしい…

ライスとナン

インディカ米がやたらと食べたくて、友人と一緒にインド料理店へランチに行った。 まずはカレーを選ぶ。ライスは必ずついてくるようなので、揚げパンかナンの選択肢からナンを注文。 ところが、運ばれてきたのは、カレーとナンだけ。ライスがない! 再びメニ…

わかめきつねうどん

常連気味になっているお店で、わかめうどんを注文した。ここでは、いつも決まって、わかめうどん。税込み320円。 カウンターでうどんを受け取ってから席で食べるセルフサービス。「わかめうどん、ねぎ抜きでお願いします」と言うと、厨房でうどんをつくって…

駅弁ロマン

先日、兵庫県で駅弁を製造販売している会社の方にお会いした。 駅弁って新幹線やローカル線に乗って車窓からの景色を眺めながら食べるとおいしい。でも、自宅に持ち帰って食べると、そのおいしさが半減してしまう。 駅弁とは、ごはんやおかずそのものを食べ…

座敷でどぜう

浅草で どぜう(どじょう)を食べた。 どぜう鍋が昔から好き。ただ、どぜう鍋をこんなにも愛しているのは、どぜうそのものがものすごく好きだから、ではない。 広い座敷席でお酒を呑みながら鍋をつつく、あの雰囲気を愛している。他のテーブルでも、同じよう…

クムクム

ヨルダンの主食は、ほとんどがホブスという平たいパン。おいしいけど、やはりお米が食べたくなるのが日本人。 でも、お米料理のマクルーベやビリヤニはほとんど肉が使われている。お米は食べたいけど、肉は苦手で食べられない。 お米お米お米って念じていた…

イスタンブールで鯖サンド

イスタンブールには「鯖サンド」がある。地元で水揚げされた焼いた鯖をパンで挟んだもので、最近は日本でもよく見かける。 でも、鯖は塩焼きにして、添えた大根おろしにちょろっと醤油をたらして、ほかほかのごはんと一緒に食べるのが一番おいしいと思ってい…