柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2021-01-01から1年間の記事一覧

ハレの日はごはんケーキ

夫はスイーツが大好きだが、私は苦手。そして、2歳の娘は小麦アレルギー。されどクリスマスにはみんなで切り分けて楽しむ食べ物が欲しい。 というわけで、ごはんでケーキを作った。娘の1歳の誕生日や雛祭りなどごはんケーキはたびたび我が家の食卓に登場して…

茶碗とごはんの相性

2歳の娘は茶碗を2つ持っているが、2つともすでに割れて金継ぎしてある。そのうちの1つは出産祝いでいただいた佐賀県伊万里市の青山窯の水色の磁器で、ごはんを食べ終わるとクマがあらわれる。娘はこの茶碗を気に入っていて、クマ見たさにごはんを食べてくれ…

伸びるお米

秋田県から2022年にデビューする新品種「サキホコレ」を先行販売で購入できたので炊いてみた。 すると、なんだか米粒が長い。つや姫も炊くと長く伸びるので、サキホコレも同じような特性があるのかもしれない。 しかし、米粒をよく見ると、長く伸びているも…

〝遺卵〟の味

Sさんから亡くなったご友人の香典返しでもらったという100個の卵のおすそわけが義実家に届き、そのおすそわけとして12個の卵がわが家に来た。この卵がとてもおいしい。白身がぷりぷり。目玉焼きにすると白身がもりもり膨らむ。 しかし、生産者の方はもういな…

利き米には禅椀

会津漆器ブランド「めぐる」の禅椀に一目惚れ。漆器でごはんを食べるおいしさにも開眼した。茶道具の棗のような形状なのできっと白ごはんの香りが感じられやすいに違いないと思ったら本当にその通りだった。平茶碗では感じづらかったわずかな香りが分かりや…

銀杏のにおい

なんかくさいと思い、しかしその発信元が銀杏であるとわかると、ただくさいというよりも秋の匂いだなあと思うようになる。この法則、納豆にもあてはまる。においのもとが納豆とわかった瞬間に、くさい、から、食べたい、に変わる。 洗って干した銀杏の実のほ…

いくらごはんと口中調味

2歳の娘は食べられるものが極端に少ないが、最近いくらが大好きになった。 私がいくらを食べる時はごはんの上にいくらをのせて、ごはんといくらを同時に口に入れる。そして、塩味をごはんが受け止めきれない場合は、さらにひとくちごはんだけをたべる。 しか…

「お米の洗い方・研ぎ方」考

「 近年は精米技術が発達したのでお米を研ぐ必要はなく洗うだけでO K」と言われているが、本当にそうなのかなあと考えている。 私も以前はさっとすすぐ程度だった。しかし、 うっすらと古米臭があるお米を研いでみると臭いがとれておいしく 食べられたことが…

「ごはんのおとも」と「ごはんのおかず」

東京・高円寺にある暮らしの道具店「cotogoto」でお米ライターカシワギおすすめのごはんのおともを「新米とうつわ展」(2021年10月15日〜2021年10月31日)の期間限定で販売してもらえることになった。 12種類をご提案したうち、販売可能となったのは7種類。1…

ごはんと恐怖心

知り合いの高齢男性が「メディアの刷り込みでごはんを食べることに罪悪感を覚えるようになってしまった」と言っていた。 私の友人にも「ごはんが食べることがこわくなってしまった」という女性がいる。罪悪感どころか恐怖心だ。「でも本当は食べたい。白米を…

おかあちゃんの味ぶかし

福島県では「おこわ」のことを「おふかし」と言い、五目おこわ的なものを「味ぶかし」と呼ぶ。先日、おかあちゃん(義母)に味ぶかしについて質問しに行った。聞けば聞くほどおいしそうだけど、最近は作っていないと言っていた。たしかにおかあちゃんの味ぶ…

合い盛りたまごかけごはん

前回の「新たまごかけごはん」で課題にしていた、「卵白と醤油が混じり合う」かつ「卵白と卵黄をそれぞれ楽しむ」かつ「最後のひとくちは白ごはんで終える」ことを実現したたまごかけごはんができた。 真ん中に擁壁を高く作って、片方に卵黄と醤油(卵黄を割…

新たまごかけごはん

このたまごかけごはんは大発明である気がする。たまごかけごはんに見えないけど、食べると紛れもなくたまごかけごはんだ。 いつものたまごかけごはんは、ごはんにくぼみを作り、そこに卵を落としたら、醤油(や味噌たまり)をひとたらしして終わり。すると、…

お弁当の焼き魚とナポリタン

「お弁当の揚げ物とレタス」で「お弁当に入っているふにゃふにゃの衣の揚げ物が苦手」と書いた。揚げ物は衣がサクサクの状態で食べたい。 しかし、よく考えると焼き魚はなぜお弁当に入っていて嬉しいのだろうか。実家や飲食店では魚は焼きたてが好きで、ほん…

パックごはん食べ比べ・その1

先日、パックごはんにまつわるお仕事の依頼をいただいたが、電子レンジを持ってないしパックごはんも苦手なので縁遠いものになっていたし、炊飯文化を大切にしたいのでお断りしてしまった。 でも、パックごはんをほんの少し食べてみただけでパックごはんを否…

お弁当の揚げ物とレタス

お弁当に入ったフルーツやプチトマトが好きではないと「おべんとうばこのうた・その4」に書いたが、もっと言うとお弁当に入った揚げ物も苦手だ。 揚げ物はサクサク感もおいしさの一つだと思うので、お弁当の中で時間経過とともに油を吸ってふにゃりとした衣…

おべんとうばこのうた・その4

「おべんとうばこのうた・その1」「その2」「その3」と書いてきたが、読んでくださった方から正しい歌詞の情報をいただいた。 その方は、作詞された香山美子さんのホームページを見て新事実を突き止めていた。 一つは、「♪ごましおふって」ではなく「♪ごまふ…

お豆腐のうなぎ蒲焼き風弁当

もうすぐ土曜丑の日。タレが甘いうな重は苦手だけど、タレが甘すぎないうな重は好きだ。 妊娠初期に妊婦が控えるべき食べものを調べると、「うなぎ」も含まれていたので、うなぎ断ちをした。 「産後はうなぎ屋に行きたい!」と言っていたが、娘がまもなく2歳…

おべんとうばこのうた・その3

「おべんとうばのうた」に続き、「おべんとうばこのうた・その2」を書いた後、近所の図書館で「おべんとうばこのうた」(構成・絵 さいとうしのぶ/ひさかたチャイルド)を発見した。 素晴らしい絵本であった。 おにぎりから始まり、刻みしょうが、ごま塩、…

割れたお米はベチャベチャになる?

巨大胚芽米は玄米専用米である。なぜならば、精米すると胚芽がポロリと取れてしまって巨大胚芽の意味がないから。 さらに、「胚芽が剥離した部分からデンプンが溶解してベチャ飯になる」という話も耳にした。本当にそうなのか、実験してみた。 使ったのは、…

浄水で炊いたごはんはおいしいのか

ブリタの浄水器を愛用している。飲み水は水道水に比べると明らかにクリアだ。 ならば浄水で炊いたごはんも水道水で炊いたごはんよりもクリアな食味になるのだろうか? というわけで検証してみた。 いずれも冷蔵庫にて長時間浸漬した後、炊飯器の早炊きモード…

炭酸水でごはんを炊く・その3

炭酸水炊飯はおいしいというweb記事がいくつもあるので、本当にそうなのかどうか、2年ほど前に何度か試してみた(「炭酸水でごはんを炊く」「炭酸水でごはんを炊く・その2」)。 ただ、正しい炭酸水炊飯の方法がわからず、洗米から炭酸を使ってみたところイ…

ごはんおかわりロボ

「ブランド米開発競争」(熊野孝文著・中央公論新社)に株式会社プレナス が運営する「やよい軒」はお米にこだわり、仕入れるお米は一般的な検査以外に保水膜の検査まで行う、と書いてあったので、プレナス の本部に味度メーターを導入してるのか、すごい!…

おべんとうばこのうた・その2

以前に書いた「おべんとうばこの歌」で、「♪おむすびおむすびちょいと詰めて」が「♪サンドイッチサンドイッチちょいと詰めて」に変わっているという衝撃の事態について書いた。 「♪刻み生姜にごま塩かけて」の部分は、「♪からしバターにマヨネーズ塗って」に…

食いしん坊は食いしん坊

飲食店のメニューを見るのが好きだ。 一人で定食屋や立ち飲み屋に入ると、注文前にメニューを見るのは当たり前だが、注文した後もひたすらメニューを見続ける。 一人でふらりとお酒を飲むために入った店ではメニューを肴にお酒が飲める。 そして、他人が注文…

春のごはん祭り

3月に川べりでふきのとうを摘んで「ふきみそ」を作り、5月にご近所から葉わさびをいただいて「葉わさびの醤油漬け」を作り、スーパーで木の芽を買って「木の芽の佃煮」を作り、お世話になっている料理人から行者にんにくをいただいて「行者にんにく味噌」を…

ぐるてんふりーのからあげ

1歳9ヶ月の娘が先日味噌汁に入っていた焼き麩を食べたところ、30分後に両目の周りが赤くなって腫れ始めた。どんどん腫れて目が開かないほどに腫れた。同時に両脚全体に蕁麻疹ができて泣きながらかき始めた。 急いで病院へ行き、ひとまず薬をもらい、2日後に…

ごはんの長時間保温禁止運動

先日、ある飲食店で定食を頼んだら、ごはんが黄色かった。 そして保温臭がしてごはん粒がダマになっていた。厨房を覗くと大きな保温ジャーからごはんをよそっていた。昼の開店時間に入店したのにこのごはんの状態ということは、おそらく昨日炊いたごはんでは…

お米の精米年月日

お米の精米年月日の表示が変わり、スーパーで販売されているお米の精米年月日が軒並み「4月下旬」になっていた。 食品ロス削減や物流の効率化という狙いは分かるけど、21日精米と31日精米では10日間も違う。実際にいまお米を買おうと思っても精米年月日が4月…

ミルキークイーンの可能性

どちらかと言うと低アミロース米が得意ではない。 もちろん好きな低アミロース米もある。個人的においしいと感じる低アミロース米は、やわらかくてもちもちしていながらも、しっかりとした粒張りがあって外硬内軟。 それでも、たくさんは食べられない。どっ…