柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2026年から3年間は「お米の福島県」

令和5年産米は計7個所のお米の食味コンクール・コンテストで審査員を務めた。 

その感想やお米の傾向などをお話してくださいと福島県・天栄村のコンクールランカー生産者・吉成邦市さんからお声がけいただき、郡山市で開かれたイベント「つながろう農業のチカラ」で講演させていただいた。

参加者はほとんどが「おいしいお米」を目指して研究して栽培している生産者。「おいしいお米」を目指して研究している肥料屋さんも。

テーマは「令和5年産米を参考にお米の食味を考える」で、コンクールやコンテストにとどまらず、「おいしいお米」に関連する最近の個人的興味ばかり話したので楽しかった。生産者と話したい世間話の延長というか。

真剣にお米を作っている生産者のお米は、真剣に炊飯して真剣に審査すべきだと思っているので、審査の感度をもっと上げていきたい!!!と改めて鼻息が荒くなった。

講演後は、昨年12月に新潟県・津南町で開かれた「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で金賞を受賞した福島県の3名の生産者(天栄村の吉成邦市さん・南会津町の湯田裕樹さん・天栄村の芳賀育実さん)が栽培した「ゆうだい21」の食べ比べ。

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参加者の「一番好みだと思ったお米」がそれぞれバラバラだったのが興味深い。いずれもレベルが高かったが、私は湯田さんの「ゆうだい21」が好みだった。

このうち吉成さんの令和5年産「ゆうだい21」を食べるのは3回目だったけど、食べるたびに印象が違う。ロットの違いもあるとは思うけど、炊飯要因は大きいように思う。

ちなみに、この後、再び吉成さんのお米を食べる機会(4回目)があったが、めちゃくちゃ甘かった。舌の奥まですっと甘さが入ってくる。甘ったるい甘さではなく、爽やかな、果実的な甘さというか。甘さの余韻も長い。令和5年産米の甘味大賞!)

福島県では2026年から3年連続で「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」が開かれる。2026年は中通り地方→2027年は会津地方→2028年は浜通り地方の順番。

福島県にはこんなにおいしいお米を栽培している生産者たちがいることを知ってもらう機会にもなれば嬉しい。福島のお米を使ったおいしい日本酒も。

そして、コンクールは何よりも生産者のモチベーションアップの場としても非常に意味がある。人生で「良きライバルであり、良き友人」という人間に出会える機会ってそうそうないように思う。切磋琢磨しあえる関係がまぶしい。

とにかく、2026年から3年間、福島県はお米です。