柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

ごみばことめがね・その1 完

巨大胚芽米カミアカリの可能性を生み出す目的で開かれている勉強会「カミアカリドリーム」のスピンアウト勉強会として「ごみばことめがね」を企画した。 「思い込みをごみばこに捨てよう、本質を見るめがねをかけよう」という意味で名付けた「ごみばことめが…

自分が納得するための補足

福島県会津若松市「高橋庄作酒造店」さんからお声がけいただき、「一般社団法人J.S.P.(ジャパン・サケ・ショウチュウ・プラットフォーム)」が運営する「UTAGE」のライブ配信に出演した。 配信後に配信蔵元限定酒が販売されるというシステムで、今回の限定…

うっすら古米臭には「なで洗い」

お米は「ワレモノ」。 「近年は精米技術が発達したのでお米は洗うだけでOK」と言われている。 とは言え、この「洗う」は人によって受け取り方が違う。 「水ですすぐ」だけなのか、「水の中でささっとかき混ぜる」のか、「水の中でシャーっとかき混ぜる」なの…

おいしい「おこぼれの産物」

4歳の娘は「赤紫蘇ふりかけ」が大好きで、粉状の赤紫蘇と塩だけでこんなにごはんが食べられるものなんだなと感心する。 最近、娘が「そんなに?!」というほど大喜びするのは、海苔缶の底に溜まった“ふりかけ”。 いつも全型海苔を8枚切りにして海苔缶に入れ…

2026年から3年間は「お米の福島県」

令和5年産米は計7個所のお米の食味コンクール・コンテストで審査員を務めた。 その感想やお米の傾向などをお話してくださいと福島県・天栄村のコンクールランカー生産者・吉成邦市さんからお声がけいただき、郡山市で開かれたイベント「つながろう農業のチカ…

令和5年産 おいしかった米・2024年節分までに食べたお米

令和5年産米を2023年秋から2024年節分(2月3日)までの約4ヶ月間で計126種類(自宅炊飯のみ・コンクールでは計175種類食べたが、炊飯環境が違うためここでは除外)食べてきた中で、特に「めちゃくちゃおいしい」と感じたお米を3つ紹介する。順番は順位ではな…

軟質米と硬質米

福島県会津若松市「高橋庄作酒造店」で夫の「亀の尾」を使った「会津娘 つちや亀の尾」などの酒造りに参加させていただいた。 「五百万石」や「山田錦」などの酒造好適米に比べて、「亀の尾」の吸水時間は2倍。「溶けづらいお米」だと杜氏の方々から教えても…

2023年おいしかった甘酒

4歳の娘が甘酒好きなのでどこかに行くたびにご当地甘酒を買ってくる。 飲み比べてみると味わいはそれぞれ。そして、めちゃくちゃお気に入りの1本に出会えた。 福島県・会津坂下町「八二醸造」の「糀あまざけ」。 原材料は会津坂下町産の有機栽培「コシヒカリ…

いつまで続くパン給食? 主食を海外に依存するということ

12日に発表された2023年産米の作況指数(確定値)の全国平均は「平年並み」だったが、都道府県生産量上位の新潟県をはじめ、北陸地方の平均は「やや不良」だった。秋田県は豪雨の影響もあったが、全体的に猛暑の影響が品質・収量ともに出た。 報道では白濁し…

126種類のお米を食べた2日間

新潟県・津南町で開かれた「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」の全部門で米・食味鑑定士として審査員を務めさせていただいた。 1日目は80種類、2日目は46種類のお米を食べられるという非常にありがたい機会。いろいろな意味で貴重な学びを得られた。 ち…

令和5年産米の炊飯で「水を少なめ」よりも大切だと思うこと

令和5年産米は高温や渇水の影響による品質低下が報道されている。 実際にさまざまなお米を食べていると、同じ生産者でも例年に比べて乳白米等が多く、今年はとりわけ「背白(お米の背側が白い)」と「基部白(パールライスくんがかぶっている帽子のあたりが…

お米の「活き青」を食べる

今年も静岡県・藤枝市で開かれた「カミアカリドリーム勉強会」で、活き青(いきあお。玄米に混ざる緑色の米)だけの「カミアカリ」(巨大胚芽米品種)を食べる機会に恵まれた。 生産者は長野県伊那市「Wakka agri」。お米の色彩選抜機で飛ばされたお米をさら…

生イカとイカ刺はセット購入で

「日本のドルマ『いかめし』」で書いたいかめしを作ったときに捌いたイカからずるりと出てきた肝があまりにも立派だったので、このまま捨ててしまうのが惜しくなった。 ゲソの肝焼きにするかなあ、と思ったらうっかりゲソもいかめしと一緒に煮てしまった。お…

ごはん茶碗で季節を愉しむ

愛用の会津漆器の黒色ごはん茶碗が欠けてしまったので、金継ぎに出して同じ型の赤色を購入した。 毎晩のようにごはんの食べ比べで茶碗を二つ使うので、もう一つの茶碗を小鹿田焼の黄土色の茶碗に変えたら、まるで秋の紅葉のような色合わせになり、意図せず秋…

日本のドルマ「いかめし」

スーパーの魚売り場で一番大きないかを選んで、「いかめし」を作った。 いかは福島県いわき市で水揚げされた、いわゆる「常磐もの」。お米は福島県・猪苗代町、つちや農園の「ヒメノモチ」。改めて感じたのは、いかめしの可愛さ。どう考えても可愛い。ぷくっ…

「おねば」の厚い納豆

大阪市中央区「らくだ坂納豆工房」の「谷町納豆」をお取り寄せ。 マコモの藁に住んでいる天然の納豆菌で発酵させているそうで、大豆の味が濃く、硬すぎずやわらかすぎない絶妙な歯触り。噛むごとに大豆の甘さを感じる。大粒で食べ応え抜群。 特筆すべきは、…

ラジオ体操には「プラスお米」

10月9日は「スポーツの日」。と言ってもスポーツをする日課がなく、運動不足を反省して自宅で動画を見ながら軽い筋トレを続けている。 出産して間もなかった数年前、新型コロナウイルス禍と大雪で外に出づらく、帝王切開の傷のせいで腹筋を使うこともできな…

しらすどん

図書館で娘に「しらすどん」(最勝寺朋子 作・絵)という絵本を借りた。 最近娘がしらすごはんが大好きで毎日釜揚げしらすをスーパーで買っている。朝晩必ずしらすごはんを食べるので80gパックが1日でなくなる。絵本と現実世界がリンクすると楽しいと思って…

お米と海苔のご縁

知り合いの方が「お米の保存には海苔保存袋がおすすめ!」と言って、山本山の海苔保存袋をごっそりとくださった。 使ってみると丈夫で厚みがあるので空気を抜きやすい。お米が酸化しづらくて良いかも。アルミ袋のメリットについて検索してみると、防湿性・遮…

料理やコタツに「どっこんすい」

先日、「どっこんすい」という言葉を初めて聞いた。 福島県の猪苗代湖北岸では、かつて「どっこんすい」という言葉が使われていたらしい。 調べてみると、各地で使われている「どっこんすい」とは「湧き水」のこと。 だが、この界隈で言う「どっこんすい」は…

水道から冷水が出ない9月

今年は残暑が厳しい。9月中旬を過ぎてもなかなか気温が下がらない。 早場米が8月から出回り、少しずつ新米が出てきているけど、気温が下がらないので水道水の温度がなかなか下がらない。私が住んでいるのは標高500メートル以上の町だというのに、昼間は水温2…

令和4年産おいしかった米・2023年6月から7月中旬までに食べたお米

「令和4年産おいしかった米・2023年春分の日の翌日から5月末までに食べたお米」に続き、令和4年産米を2023年6月1日から7月14日までの1ヶ月半で計18種類を食べてきた中で、特に「めちゃくちゃおいしい」と感じたお米を2つ紹介する。 と言っても、新米から梅雨…

暑い夏でもお米はおいしい

先日、ごはんのおともに江戸料理「浦里(うらさと)」を作ってみた。なんだか「なめろう」のような見た目だが、すりおろした大根、種を取って刻んだ梅干し、かつお節、千切りした大葉、醤油だけ。 爽やかな江戸ごはんのおとも「浦里」なんだか「ネギトロ」に…

おいしいごはんのおとも・その3

「おいしいごはんのおとも・その2」を書いてからずいぶん時間が経ってしまった。 明太子は嫌いじゃないのだけど、どうしても添加物が気になってしまう私。 「無添加」と記載されていても、原材料欄に「たんぱく加水分解物」とか「還元水飴」とか「ソルビトー…

お米まわりのイチオシ・その2

「お米まわりのイチオシ・その1」を書いてからずいぶん時間が経ってしまった。 6年前に全米販(全国米穀販売事業共済共同組合)の池戸澄江さんからいただいた「極(きわみ)しゃもじ プレミアム」。 使い心地が抜群で毎日使っていたので、さすがにご飯がこび…

おやつもお米を食べよう運動・その6

小学生の頃、夏になるとカルピスが家にあった。 というか、どの家にもあった。 友だちの家に遊びに行くと、おばちゃんがカルピスを作ってくれる。 当時は「カルピスウォーター」のようにすぐ飲める状態ではなく、カルピスの原液に水を混ぜて作るスタイルだっ…

夏こそ玄米ごはん

白米が大好き。玄米よりも断然白米派だ。 ところが、暑くなってきた最近は玄米が食べたいと思うことが増えてきた。 「夏は玄米は重たい」という意見もあるけど、私の場合、夏は低アミロース品種の白米が重たくなり、軽やかな食べ心地の白米、あるいは玄米を…

クラフトサケは炊き込みごはんで日本カクテルは混ぜごはん

以前にパークハイアット東京のバーで飲んでみた「日本酒カクテル」があまりにもおいしくて感激した。それまでに抱いていた「日本酒に何かを混ぜるなんてなんとなく邪道」というイメージが打ち砕かれた。 その日本酒カクテルに入っていたのは、日本酒、シャン…

夕暮れと夜の境目に目を凝らす鳴き始めるのはどの蛙から?

夕暮れと夜の境目に目を凝らす鳴き始めるのはどの蛙から? 田舎の祖母の家は、庭を挟んですぐ田んぼがあった。 小学生の頃、夏休みになると遊びに行った。 朝も夜も気づくと網戸にカエルが貼り付いている。 犬や猫は苦手だったが、カエルは大好きになった。…

泳跡波消えた静かな田んぼ見て「かもさん、しずんで、おかいものいった」

フリー素材 泳跡波消えた静かな田んぼ見て「かもさん、しずんで、おかいものいった」 家の前の田んぼにはときどき鴨がやってくる。 いつのまにどこからか現れ、しばらくの間泳いでいたかと思うと、いつのまにいなくなっている。 どこかに飛んでいったのかな…