柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2022-01-01から1年間の記事一覧

カスベの煮付け

今年は雪が多い。 先日は夫が不在中に娘と2人で車で出掛け、夕方帰宅すると雪で自宅敷地内に入れなくなっていた。路駐して、除雪道具を取りに行くために膝上まで雪に埋もれながら家に向かっていると、神奈川県に住んでいた17、18年ほど前に大学の卒業記念に…

ごはんのおともをアップグレードする

先日「山角や」の水口さんにいただいた京都の漬物「すぐき漬け」。 「生姜醤油に合いますよ」と教えていただいた通り、生姜醤油で和えてみたら素晴らしいごはんドロボーに。おむすびにも合いそう。山角やさんのおむすびを食べたり、今回のアレンジを教えてい…

うれしい米と酒のギフト

先日、栃木県のブランド米「とちぎの星 食味コンテスト審査会」に審査員として参加した。 県内には「とちぎの星」を使った日本酒を造っている酒蔵もあり、「とちぎの星」を食べて「とちぎの星」を呑むことができたらきっと楽しいだろうな。 たとえば、四合瓶…

すんき漬けと白ごはん

先日、長野県で「すんき漬け」を買ってきた。 すんき漬けとは長野県木曽地方の伝統的な発酵食品で、無塩の漬物だ。漬物といえば塩味のある調味料を使うのが当たり前だと思っていたので、初めて知った20代のときには「塩を使わない味噌」「酢を使わない酢だこ…

「ササニシキは原種に近い」?

「ササニシキは原種に近い」という表現をweb記事や生産者のホームページやグルメ系の雑誌など、さまざまなところで目にする。 その度に、ここで言われている「原種」とは何を意味するのだろうと考え込む。 調べてみると「原種」の意味は2種類ある。 1つは「…

おむすびを肴に熱燗を呑む

先日、郡山市のブランド米「ASAKAMAI 887」の新米祭へ行ってきた。ワーク&トークセッションの講師を務めた後のお楽しみは「おむすびBAR」。 京都を拠点に活動しているおむすび屋「山角や」の塩むすび1つとオーダーメイドおむすび5つを食べ、郡山市の酒蔵「…

鯉を食べる文化

先日、郡山の鯉を使った本格ベンガル料理が手軽に作れる「ベンガル鯉カレーキット」でベンガル地方の郷土料理「鯉のジョル」を作ってみた。さらりとしたスパイシーな汁にバスマティライスが合う。 鯉は好き嫌いが分かれるようだけど、私は信州出身の母が作る…

おやつもお米を食べよう運動・その4

先日、娘と一緒に「鬼まんじゅう」を作った。 鬼まんじゅうとは、角切りのサツマイモを小麦粉の生地に混ぜ込んで蒸し上げるでまんじゅうのこと。あんは無い。娘が小麦アレルギーなので、米粉を使った。さらに、「水+砂糖」は「甘酒」で代用して、「米粉」に…

嫌いな食べものも尊重する

子ども向けレシピを検索していると、野菜嫌いな子どもに野菜を食べてもらうためのレシピを目にすることが多い。野菜を肉で巻いたり、お好み焼きに入れたり、ハンバーグに混ぜたりと工夫が施されていて、親たちの試行錯誤が垣間見え、子どもたちへの愛を感じ…

キノコの神様はエリンギ

いただきものの乾燥シシタケ(香茸)で、シシタケごはんを作ってみた。 香茸と呼ばれているだけあって、香りが濃い!まるでトリュフのような、椎茸を数十倍に濃縮したような香り。 乾燥シシタケ(香茸) 水で戻して、まずは炊き込みごはんにしたら、あ、これ…

香りマツタケ、味シメジ?

9月、夫と松茸名人と一緒に山へ松茸採りに出かけた。歩いていると「松茸のにおいがする!」と夫。私にはまったくわからなかったが、採った松茸を腰かごに入れていると、まるで松茸の香水をつけたかのように、私から松茸の香りが放たれ続けていた。 帰宅して…

「お米は太る」と思い込んでいる人へ――ボディビ ル元チャンピオンがごはん食を指南! “⻩金バランス”は「炭水化物6:タンパク質2:脂肪2」

私は20代の頃、⻑きにわたって「摂食障害」だった。 「掘るほどに出てくるお米の魅力、まずは思いつくままに」 で書いた通り、 一切の食材や調味料を拒否しながらも、お米だけは安心感があって食べることが できるという期間もあった。 …

おでんごはん

先日、おでんを作って2日間にわたって食べた。おでんは味がしみた2日目がおいしい。 学生時代にコンビニでバイトしていた友人から廃棄用おでんをもらって食べたことがある。作ってから数時間で廃棄の決まりがあるとかなんとか。コンビニおでんと家庭おでんは…

おやつもお米を食べよう運動・その3

先日、娘と一緒に「さつまいも団子」作った。 いつも作りたいものがあるとネットで検索してレシピを探して…というタイプだけど、今回は思いつき。蒸して潰したさつまいもとだんご粉と水を合わせてこねてみると…良い感じのやわらかさになったので娘と一緒に丸…

おやつをお米を食べよう運動・その2

娘と一緒に会津地方の郷土料理「しんごろうもち」を作った。「もち」と言っても餅ではなく、うるち米を半殺しにした「もち」。 小さいしんごろうもちは3歳の娘作。 「卵の大きさだよ」と作って見せてもお月見団子の印象が強いのか、お月見団子サイズのしんご…

おやつもお米を食べよう運動・その1

9月10日の中秋の名月、3歳の娘と一緒にお月見団子を作った。 使ったのは、スーパーで売っている「だんご粉」。パッケージを見ると「うるち60%、もち40%」と書いてあった。うるち米を低アミロース品種にしたらこの配合割合は変わるのか興味深い。 娘はきっと…

ごはんが進む「残りもの部門」と「ちょいしみ部門」

先日スーパーで北海道産の生筋子を見つけた。 3歳の娘はいくらの醤油漬けが大好きなので、5,000円分の生筋子を購入して、季節行事のために小分けにしてして冷凍した。 瓶の蓋に「12月」「1月」「2月」「3月」…とラベルをつけて冷凍。クリスマス、大晦日、正…

糀甘酒と酒粕甘酒は似て非なり

3歳の娘は甘酒が大好き。 私も甘酒は好きだが、好きなのは糀甘酒にかぎる。酒粕甘酒はどうも好きになれない。 日本酒は大好きで、粕汁や鮭の酒粕煮などの酒粕料理も好き。酒粕を炙って酒の肴にするのも好き。それでも酒粕甘酒は好きになれない。 酒粕甘酒は…

「金とり会」に学ぶこと

酒米を自社栽培している酒蔵でつくる「農!といえる酒蔵の会」の福島セミナーに参加した。 福島県日本酒アドバイザーの鈴木賢二さんの講演で、福島県の「高品質清酒研究会」通称「金とり会」で行われるという「持ち寄り会」が紹介された。 ちなみに「金とり…

白ごはん.comの神レシピ

3歳の娘はアレルギーが多い。こども園は給食が出るのだが、除去食に対応しきれないとのことで毎日お弁当を持参している。 そして食べてくれるものが極端に少ない。 いま娘が食べるものは、主食では、白ごはん、塩むすび。おかずでは、かぼちゃ塩煮(醤油や味…

いくらケーキ

先日、娘が3歳になった。 いくらが大好物なので用意しておいたが、目にするアニメや絵本ではお誕生日と言えばいちごがのったホールケーキにろうそくをさして祝っている。 娘も「ケーキ!」と食べたことがない料理を要望してきた。娘は小麦アレルギーであり乳…

揺らぐ資格の価値

先日、お米屋でお米を買おうとしたら、袋裏の「産地」「産年」「精米年月日(精米年月旬)」「販売者」が空欄だった。印刷されているのは、かろうじて品種だけ。POPや袋表に「産地」「生産者」は書かれていたが、精米年月旬がわからない。商品棚に置いてある…

トラディショナルフードカルチャーマーケティング(造語)

静岡県「萩錦酒造」で杜氏の萩原綾乃さんに数種類の日本酒を試飲させてもらった時に、萩原さんが静岡酵母の特徴について「淡麗」と教えてくれた。 たしかに落ち着いた香りですっきりとした味わいのお酒が多い印象を受けた。 「静岡県では海でとれた魚介類を…

朝食ビュッフェで白飯を最後までおいしく食べるために

先日家族旅行で静岡県のホテルに宿泊した。 翌日の朝食ビュッフェは7時スタート。われわれは7時20分くらいに朝食会場に到着した。 大きな保温ジャーの脇には、JA伊豆の「伊豆の恵こしひかり」の米袋。地元のお米を使うだけでなく、どういうお米を使っている…

酒屋の角打ち

先日、毎日新聞朝刊の読者投稿欄「女の気持ち」でシングルマザーだという女性の投稿を読んだ(2022年6月6日付)。 「娘は発達障害を抱えていて、思春期でもあり関係を結ぶのが難しい」「娘に振り回され頼れる身内もなく、独りで家事すべてを引き受けるつらさ…

こども弁当の決まりごと

今年の4月から2歳の娘をこども園に通わせ始めた。 しかし、娘はなかなかのアレルギー体質。 小麦アレルギーであること。 乳製品アレルギーであること。 胡麻は摂取量が多いとアレルギー症状が出てしまうこと。 卵は自宅で微量しか食べてくれなかったため摂取…

白飯屋

以前に都内の商店街にあったおむすび屋で開かれたイベントでおむすびを作った際、高齢の女性客が「おむすびじゃなくて白いごはんを買いたい」と注文してきた。昼食のおかずは家にあるが、帰宅後に「夫と2人分のごはんを少量だけ炊くのが面倒」なのだという。…

お米と日本酒の〝経時優化〟

「お米と日本酒は似ている・その1」で、開栓時よりも数日経ってからのほうがおいしい日本酒、精米から数日経ってからおいしいお米の話、年明けから味がのってくるお米のことを書いた。 7日前に開栓したある日本酒は、とてもきれいな酸の奥にサイダーっぽい甘…

お米を生かすも殺すも炊飯次第

花の生け方を習ったことがなく、これまでずっとなんとなく活けている。花自体が美しいので、なんとなく生けても部屋が明るくなり私の気分も明るくなるが、もっとうまく生けてあげられたら花はもっと輝くんだろうな。美しい花であればあるほど申し訳ない気持…

お米と日本酒は似ている・その2

先日、お燗と料理のペアリングが楽しめる「高崎のおかん」で食事をして、お燗と炊飯が似ていることに気づいた。 店主の高崎丈さんが燗をつけると、冷酒や冷やで飲むときとは味わいが変わる。どの温度までどうやって上げていくか。燗のつけ方が味わいを左右す…