「ササニシキは原種に近い」という表現をweb記事や生産者のホームページやグルメ系の雑誌など、さまざまなところで目にする。
その度に、ここで言われている「原種」とは何を意味するのだろうと考え込む。
調べてみると「原種」の意味は2種類ある。
1つは「種子をつくるために使われる種子」のこと。
もう1つは「品種改良以前の種子」「在来種」のこと。
「ササニシキは原種に近い」は、おそらく前者のことではなく後者を指しているのかなと思うが、ササニシキは果たして「品種改良以前の種子」「在来種」に近いのだろうか。
コシヒカリが生まれた年は1956年で、ササニシキが生まれたのは7年後の1963年。
コシヒカリの親の親である「農林8号」は、ササニシキの親の親でもある。
そして、ササニシキの親である「ハツニシキ」は、コシヒカリのきょうだいでもある(親は「農林22号」と「農林1号」)。
こうしてみていくと、コシヒカリよりもササニシキのほうが「原種に近い」理由がどうしてもわからない。原種に近いっていったいどういうことなんだろう。