柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

クリスマスっぽいもの

実家で暮らしていたころ、肉も乳製品もダメな私は、家族がチキンの丸焼きやケーキを楽しむ中、1人でごはんとみそ汁を食べていた。のけ者にされていたというわけではなく、ごはんとみそ汁が食べたかっただけ。母はワガママな私のために味噌汁や煮物などわざわざ別メニューをこしらえてくれた。

 

一人暮らしをするようになってからクリスマスをどう過ごしていたか驚くほど覚えていない。あまりクリスマスを意識していなかったのかもしれない。でも、最近は「クリスマスっぽい」ことがしたいと思うようになった。

 

普段の食卓はごはんとみそ汁と日本酒がお決まりだけど、クリスマスは「クリスマスっぽい」ものを食べてワインを飲みたい。しかし、「クリスマスっぽいもの」って何だろうと考えると、なぜかイタリアンとかフレンチが思い浮かぶ。パエリアでも悪くない。いずれにしてもヨーロッパ的なもの。

 

私はいつからそんなイメージを持つようになったんだろう。「クリスマスっぽいもの=ヨーロッパ的なもの」。このイメージを持っているのは私だけではないはず。

 

今年のクリスマスイブの前日に友人の家でたまたま見た「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」でも、「フランスのケーキ」とか「フランスのチキン」が登場していた。もしかしたら、子どものころに見たアニメによって「クリスマスっぽいもの=ヨーロッパ的なもの」というイメージが植え付けられたのかもしれない。

 

というわけで、昨年からわが家のクリスマスディナーは「クリスマスっぽい」ものを目指した(あくまで目指した)。でも、やはりお米が食べたい。

 

リゾットってどかっと食べるものではないよねと思うし、パエリアは作るのが難しそう。どかっと食べることができるクリスマスっぽいお米料理はないかなあと考え、作ったのはライスコロッケ。昨年に続き今年も作り、わが家のクリスマスメニューとして定番化した。

 

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本当はケチャップごはんの中心にとろけるチーズを入れるとおいしいらしいけど、私はチーズが食べられないので、たとえ夫の分だけチーズを入れたとしてもロシアンルーレットになるから入れない

作り方は、玉葱を入れたケチャップごはんをまん丸にして衣をつけて揚げるだけ。「日本のお米でも『クリスマスっぽい』料理は作ることができるよ!」とみんなに言って回りたい。「これのどこがヨーロッパ的なの?」と思う人もいるかもしれないけど、「ナイフとフォークで食べればヨーロッパ的」という単純な感覚を持っているのは、きっと私だけではないと思う。