柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

わかめきつねうどん

常連気味になっているお店で、わかめうどんを注文した。ここでは、いつも決まって、わかめうどん。税込み320円。

カウンターでうどんを受け取ってから席で食べるセルフサービス。「わかめうどん、ねぎ抜きでお願いします」と言うと、厨房でうどんをつくっているおじちゃんが、いつも振り返ってにこっと笑ってくれる。毎日通っているわけではないのに、「わかめうどん、ねぎ抜きの人」で覚えてもらえる。偏食も悪くない。

おじちゃんがうどんをつくるときは、ねぎの代わりに、ほんの少しだけわかめを多めにしてくれる。たまに、青菜が乗っていることもある。

この日も、おじちゃんがうどんを茹でて、つゆを入れて、こちらに背を向けてわかめをトッピングしていた。

うどんを差し出したときに、にこっと微笑みながら、何かを目で合図している。なんだろう?

席について、ちょっと多めのわかめを食べ進めていくと、合図の意味がわかった。

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わかめの下から出てきたのは、大きなきつね(お揚げ)。
おじちゃん、なんて粋なことを。

でも、実は甘く煮たお揚げが苦手なわたし…。せっかくのご好意なので、お揚げを食べてみたけど、甘くてやはり苦手。隅っこを一口かじっただけで、残してしまった。おじちゃんから見えないようにこっそりと食器の下げ口へ。おじちゃんは調理担当。食器洗いは別の人なので、たぶん、おじちゃんにはばれてない。

おじちゃん、本当にごめんなさい。

でも、きつねが好きだったら、とっくにきつねうどんを注文していると思う…。この日以来、わかめうどんを食べに行くのを躊躇している。