柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

プラスチックじゃない鏡餅

年の瀬の27日、夫のお父ちゃんとお母ちゃんと一緒に鏡餅をつくった。

 

神奈川県の実家に住んでいたころは鏡餅といえばプラスチックのパックに入ったもの買って飾っていた。でも、あのプラスチックの質感がどうも好きになれず、東京で一人暮らしをしていたときは鏡餅は買わなかった。

 

福島県にヨメに来て、当たり前のように鏡餅を作ることに驚いた。しかも、美しい。こういう鏡餅ならば飾りたい。年が明けて、松が取れて、日が経つにつれてヒビが入ったり、カビが生えたりする様子を見ていると、「もうすぐお正月!」という年末のあのウキウキ感がなつかしく感じられる。プラスチックでは得られない感傷。それに、「鏡餅には年神様が宿る」と言われても、プラスチックだとどうも年神様が宿っているにように見えない。それが良いとか悪いとかではなく。

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手作り鏡餅

 鏡餅は1家に1つだと思っていたら、夫の実家では玄関や部屋に大きいものを2つ、神棚に小さいものを4つも飾る。大きいものは三段重ね、小さいものは二段重ね。さらに、31日の夜に近所の地蔵堂に昆布を添えた鏡餅をお供えに行く。

 

実家にいたころは鏡餅に対して「正月らしい飾りの一つ」「15日の鏡開きにお汁粉を食べるため」くらいにしか思ってなかったけど、ヨメに来てからは「鏡餅には年神様が宿ってるんだなあ」と初めて思えるようになった。