柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

「農薬・化学肥料=おいしくない」ではない

有機栽培や無農薬栽培などは、イコールおいしい、と思われがちだけど必ずしもそうではない。

もちろん、環境には良いことは多いけど、同じ生産者の同じ品種でも、有機栽培よりも減減特栽(減化学肥料・減農薬の特別栽培)のほうがおいしい場合もある。

以前にお米の勉強会で、7生産者が栽培した同じ品種を食べ比べた。3生産者は自然栽培(無肥料・無農薬)、3生産者は有機栽培(無化学肥料・無農薬)、1生産者は慣行栽培(化学肥料と農薬使用)。すると、2年連続で慣行栽培のお米が一番おいしかった。

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「自然栽培だからおいしい」「有機栽培だからおいしい」「特別栽培だからおいしい」ということはない。

とは言え、慣行栽培がおいしいというわけではなく、自然栽培、有機栽培、特別栽培でおいしいお米はある。

結局お米は、生産者によっても、その年の天候によっても味わいが違い、お米のコンテストで受賞した生産者の品種でも田んぼによっても味わいが違う。

環境負荷を考えて選ぶならば有機栽培や自然栽培を選ぶのが良いけど、おいしさで選ぶならば食べてみるのが一番。というわけで、毎年おいしいお米を求めて食べていると、いつのまにか年間200種を超える。