柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

しゃけ茶漬け

料理って味だけでなく見た目が重要。

そう思ったのは、しゃけ茶漬けのしゃけのせい。

立ち飲み屋で友人がシャケ茶漬けを頼むと、ごはんの上に焼いたしゃけの切り身がどーんと乗ってきた。そのとき私はしゃけ定食を食べていたので、そのフォトジェニックなしゃけ茶漬けを食べることはできなかったけど、ずっと心に引っかかっていた。

そこで、1週間後、その店の系列の定食屋へ。実は、その定食屋と先日の立ち飲み屋はお隣同士。立ち飲み屋で定食を注文すると、味噌汁だけ隣の定食屋から運ばれてきたりする。ならば、定食屋で注文するしゃけ茶漬けは、きっとあのフォトジェニックなしゃけ茶漬けのはず。そう確信を持って、ついにしゃけ茶漬けを注文した。

f:id:chihoism0:20180514162755j:plain

ところが、出てきたしゃけ茶漬けのしゃけは、なんと、ほぐしてある。

ごはんの上にたっぷりと乗ったほぐししゃけ。本来なら、わー豪華!と思うのに、このときばかりは残念な気持ちでいっぱいに。しゃけの切り身は食べるときに身をほぐすのだから、最初からほぐされているほうが食べやすいじゃないか!と自分に言い聞かせても、無駄だった。

私はただしゃけ茶漬けを味わいたかったのではなく、ごはんの上に切り身が横たわっているさまを見たかったのだ。そして、切り身を自分の箸でほぐしながら食べたかったのだ。