柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

お米の「活き青」を食べる

今年も静岡県・藤枝市で開かれた「カミアカリドリーム勉強会」で、活き青(いきあお。玄米に混ざる緑色の米)だけの「カミアカリ」(巨大胚芽米品種)を食べる機会に恵まれた。

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生産者は長野県伊那市「Wakka agri」。お米の色彩選抜機で飛ばされたお米をさらに雑穀用の色彩選抜機に3回かけて活き青だけを集めたそうな。

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以前につちや農園で色彩選別機で飛ばされたお米をもらって手作業で活き青だけを集めて食べようとしていたが、70g集めたところで断念した。

なぜそんなことをしようと思ったかと言うと、夫が私と知り合う前にある品種を栽培したら全部青で甘くてジューシーで、当時の「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」に出品したら特別優秀賞を受賞したと聞いたから(当時は整粒値の審査項目がなかった)。

今回食べた活き青カミアカリは「い草のような香り」と言う人もいた。たしかにそんな風味ある。そして、甘いが、ピンポイントで甘いと感じた。つまり、登熟しきれていないせいか味がのってないのに、甘さだけが単体で存在しているような感じ。お米の味わいは旨味と甘味のバランス感なんだなと改めて感じた。

エグ味も感じたのは、わずかにカメムシ米も混ざっていたからかもしれない。

勉強会では「天然の活き青と人工的な活き青は違うと聞いたことがある」と話す生産者も。天然と人工の食味の違いのメカニズムは何なのか、めちゃくちゃ興味深い。