柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

本当においしいお米

「初めてお米に出会った」「今まで食べていたのはお米じゃなかった」

新聞記者時代の先輩を白金高輪の土鍋炊きごはんのお店にお連れしたら、衝撃を受けていた。しきりに同じセリフを繰り返す。

彼は食べることが好きで、いろいろなお店を食べ歩き、おいしいお店もけっこう知っている。それでも、お米という一番のベースにおいて、本当においしいと思えるごはんに出会えていなかったそうだ。

たしかに、おいしい和食のコース料理を食べても、〆のごはんがイマイチなことって多い。意外にも定食屋のごはんのほうがおいしかったりするけど、さすがにおかず無しでごはんだけを食べ続けることはできない。

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でも、この土鍋炊きごはんのお店では、ごはんのおともを忘れて、ついお米だけ食べてしまう。

お米は日本の主食なのに、実は先輩のように本当においしいごはんに出会えている人ってすごく少ないのかもしれない。

2人で1合弱ずつ。一粒も残さず食べた。本当に一粒も残さず。「いつまでも噛み締めていたいね」とか言いながら。

先生や親が子どもに「残さず食べなさい」「よく噛んで食べなさい」と言うけど、本当においしいお米は一粒も残したくないし、ずっと噛み締めていたいよね、という結論に達した夜。