絡まれば醤油の糸も飯粒も絡み絡まれ小粒納豆
納豆ごはんを毎朝食べている。毎日飽きもせずに。この朝食が定番になってからいったい何年経ったのだろう。
付属のタレは使わず、味付けは醤油か手作りポン酢。納豆の豆そのものもおいしいが、醤油をまとった糸があってこその納豆。鰻重が鰻そのものもおいしいがタレがあってこその鰻重であるように、醤油の絡んだ納豆は納豆ごはんの肝。まるで白いごはんに絡むために生まれたような存在だ。
とは言え、納豆の豆の大きさやお米の食味も納豆ごはんの味わいを左右する。以前にこんな記事を書いた。
粒立ちの良いしゃっきり系のお米と小粒納豆を合わせると、まさに渾然一体、一心同体、運命共同体。「納豆とごはん」「納豆をかけたごはん」ではなく、「納豆ごはん」という一つの食べ物になるのだ。
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学生時代から寺山修司の短歌が好きで短歌の世界に憧れていた。社会人一年目に当時の恋人と俳句ごっこをして下手な俳句を読み合うという今思えば可愛らしいやり取りをしていたこともあったが、短歌や俳句とはそれっきりになっていた(一度だけ恩師ご夫妻のお仲間の連歌に参加させていただき、すこぶる難しくもすこぶる楽しかった)。
つい先日、夫の旧友が若くして亡くなった。わが家の本棚にはホラー漫画家だった彼の漫画がある。彼が夫に頼まれてデザインしたステッカーは私のPCにも貼ってあり、同じく彼が夫に頼まれてデザインしたTシャツを夫は今も着ている。
やりたいと思ったことはやる。彼が亡くなったと夫から聞いた翌日から、コメ短歌を始めた。