柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

暑い夏でもお米はおいしい

先日、ごはんのおともに江戸料理「浦里(うらさと)」を作ってみた。なんだか「なめろう」のような見た目だが、すりおろした大根、種を取って刻んだ梅干し、かつお節、千切りした大葉、醤油だけ。

爽やかな江戸ごはんのおとも「浦里」
なんだか「ネギトロ」に見える。

 

大根おろしのさっぱり感、梅干しの酸味、大葉の爽やかさ、鰹節と醤油の旨味で、ごはんとの相性ばっちり。暑いデッキで食べても箸が進む夏にピッタリのごはんのおとも。翌朝、納豆にと「浦里」を混ぜてごはんにのせると、これが絶品。夏の朝にこれだけ合うごはんのおともが他にあるだろうか。

今年の夏は例年以上に暑かったので、「冷たい麺ばっかり食べていた」という人は多そうだ。気持ちはわかる。でも、夏でも食欲がぐんぐん進むごはんのおともがあることを知ってほしい。

たとえば、朝ごはんで納豆を食べるならば、こんな食べ方をすると爽やかで、あっという間にごはんが食べられる。

◇納豆×「浦里」

◇納豆×ポン酢

◇納豆×大根おろし×醤油かポン酢

◇納豆×大根おろし×鰹節×醤油

◇納豆×刻んだ梅干し×風味づけ程度に醤油をひとたらし

◇納豆×刻んだ大葉×醤油かポン酢

それと、卵かけごはんはやはり最強!!!

卵液が絡んだごはんが口の中に滑り込むように消えていく。

「冷やし茶漬け」をおいしそうに食べるCMもあるが、個人的にはお茶漬けは熱々が好きだ。ごはんが液体に浸ってしまうとごはん粒の食べ応えがなくなってしまい残念なので、お茶漬けはお酒を飲んだ後にたまに食べたくなるくらいで、日常食で液体に浸るごはんならば卵かけごはんの卵液がギリギリセーフ。すべてを卵液に浸してしまわずに、必ず卵液がかからないまっさらな白ごはん部分を残しておくのがポイント。

それから刺身のヅケをのせたごはんは夏でも爽やかに食べられる。刺身の喉越しが良いからかもしれない。紫蘇や生姜、ゴマ、刻み海苔などで食欲を刺激すれば完璧。

ごはんの喉越しは素麺にはかなわないが、ごはんのおともやおかずの喉越しが良いと意外とさらりと食べられるし、生姜や大葉やミョウガなどの香味野菜、梅干しなどを使うと、夏でも「お米が重たい」なんて感じない。

甘酢や梅酢につけたミョウガのみじん切りと白ごまの混ぜごはんなんて最高だ。

毎年夏になるとお米の消費量が落ちてしまうので、「暑い夏でもお米はおいしい」というレシピ本というか食べ方提案本を作りたい。