先日、バーで1日限定の「たまごかけごはん祭」なるイベントを開き、お客さんに土鍋で炊いたごはんでたまごかけごはんを提供した。
そこで、ごはんの提供時間の難しさを改めて思い知った。おむすび屋をやっていたときとは勝手が違う。
大きな炊飯器で一気に炊いてしまうと保温中にごはんの味が落ちてしまう。今回のイベントのように土鍋でちょこちょこ炊いても、時間が経つとごはんが冷めてしまう。
冷めたごはんがおいしい場合もあるけど、私はたまごかけごはんはほかほかごはんで食べたい。
というわけで、今回は5合炊きの土鍋で3合ずつこまめに何度も何度も炊いた。
時にはお客さんに炊きあがりを待ってもらった。「待ち時間もおいしさ」と言って待ってくださった優しいお客さんたちに感謝。
食べ手のことを考えてベストな料理を提供することは大変だけど、それでもできる限り食べ手が満足できるものを提供したい。
私は学校給食の白ごはんが苦痛だった。業者炊飯の大きな容器で届くのだけど、水蒸気でふたについた水がぼたぼたとごはんの上に落ち、ごはんは炊きムラがひどくて、ところどころドロリと溶けている。しかも、脇には牛乳。小学校のときは、食べ切ることができず、下校時間まで食べさせられたこともあった。ドロリとしたごはんと牛乳の組み合わせの気持ち悪さで吐いたこともあった。
先日、ある料理家さんのお弁当を食べた女の子が「保育園の給食のごはんは苦いけど、このごはんはおいしい」と言って、残さずぺろりと食べたそうだ。子どもは味覚が敏感。子どもたちにこそ、おいしい米を、おいしく炊いた、おいしいごはんを食べてもらいたい。