先日、お燗と料理のペアリングが楽しめる「高崎のおかん」で食事をして、お燗と炊飯が似ていることに気づいた。
店主の高崎丈さんが燗をつけると、冷酒や冷やで飲むときとは味わいが変わる。どの温度までどうやって上げていくか。燗のつけ方が味わいを左右するのは、炊飯の仕方が味わいを左右するお米と似ている。お米を生かすも殺すも炊飯次第であり、燗酒を生かすも殺すも燗のつけ方次第。
さらに、「おいしい燗酒は冷めてもおいしい」という丈さんの言葉が「おいしいお米は冷めてもおいしい」という言葉に脳内変換された。
燗酒を飲んでホッとするのは、単に温かい飲み物だからというだけでなく、お米でできた日本酒に火を入れて燗につけることが、温度は違えども、どこかお米に火を入れて炊くことにつながるからなのかもしれない。