柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

摂食障害時代のこと・その1「書こうと思った理由」

摂食障害でお米を食べることができない」という相談を何度かいただいたことがある。

私は過去に摂食障害に陥り、31キロまで体重が落ちたことがある(身長157cm)。お米だけは安心感があって食べることができ、いわばお米が命を繋いでくれたわけだが、特定の食べ物に対する恐怖感は痛いほどわかる。摂食障害に加えて「強迫神経症」とも診断されたこともあり、病院で食事指導をされていたこともある栄養士の方からは「オルトキシア」を指摘されたこともあった。

当時、わらにもすがる思いで自助グループのような団体に電話で問い合わせてみたことがあった。どういう流れでどういうつもりだったのかわからないが「一生治りません」と辛辣な言葉をかけられて絶望したことを覚えている。

しかしながら、今ではずいぶんと食の幅が広がり、お酒も楽しめるようになった。でも、「治った」とは言わない。何をもって「治った」のかはわからないからだ。

今でも体重計は家に置かないようにしている。置いたらすぐに数字と闘い始めて体重が減っていくことがわかっているから。

それでも外食が楽しめるようになったし、海外でも食事が楽しめようになったし、食に関して社会での生きづらさはなくなった(たまに困ることもあるけど)。

摂食障害に至るまでの要因は人それぞれで、私自身も結局は摂食障害になってしまった直接的な原因がわからないままだが、摂食障害に悩み「一生このままなのでは」「治らないのでは」と絶望感を抱いている方のほか、そのご家族やご友人にとって何かしらの参考になれば…と思い、過去に綴っておいた記録から抜粋して、当時の出来事や心情などを少しずつブログに書いていくことにした。