柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

「おねば」の厚い納豆

大阪市中央区「らくだ坂納豆工房」の「谷町納豆」をお取り寄せ。

マコモの藁に住んでいる天然の納豆菌で発酵させているそうで、大豆の味が濃く、硬すぎずやわらかすぎない絶妙な歯触り。噛むごとに大豆の甘さを感じる。大粒で食べ応え抜群。

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特筆すべきは、納豆の「おねば」。

ごはんの粒の表面の保水膜は「おねば」と言うが、納豆の粒の表面のぬらり感は何と呼ぶのだろう。

ひとまず、それも「おねば」と呼ぶことにするが、ひとくち食べると大豆の「おねば」に口の中が占拠される。とにかく大豆の「おねば」がすごい。ごはんの保水膜を測る数値を「味度値」と呼ぶが、これは納豆味度値高得点間違いなし。

納豆は大好きで毎日食べているけど、こんなにも「納豆を食べた感」が強い納豆はなかなかない。それでいて、クセが強いわけではなく、食べやすい。

ちなみに、大豆は北海道・上川町「辰巳農園」の「とよまどか」。マコモ藁は大阪府寝屋川市「アオゾラ農園」。
合わせるお米は、粒の輪郭がはっきりしたお米が好みだけど、もちもちした低アミロース米でごはんのもわもわと納豆のおねばのもわもわが渾然一体となった状態もおいしそう。でもやっぱり粒しゃっきりが好き。記憶に残る納豆!