柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

乾燥する季節にごはんがうまく炊けなかったワケ

少し前に土鍋でごはんがうまく炊けなかったことがあった。炊けることは炊けるのだけど、どうもふっくらしない。お米によっては芯まで炊けていないものもある。冷めるとすぐに硬くなる。

 

弱火のタイミングのせいだろうか?蒸らし時間が足りないのだろうか?いろいろ考えてみたが、どれも違う。ふと、ガスの火が通常の青色ではなく赤色になっていることに気がついた。

 

インターネットで調べてみると、どうやら加湿器が原因のようだった。試しに加湿器を消して炊飯してみると、ガスの火は青くなり、問題なくごはんが炊き上がった。

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青色の火と赤色の火では温度が違うのだろうか?そこで、青色の火と赤色の火でそれぞれ強火で加熱したフライパンの同一点を放射温度計で計測してみた。すると、赤色の火は青色の火よりも30度ほど低かった。

 

とは言え、私の台所実験では正確かどうか心許ない。そこでガス会社と仕事をしている友人にお願いしてガス会社の社長さんに質問していただいた。すると、たしかに赤い火は青い火よりも温度が低くくなるとの回答だった。

 

それ以来、鍋で炊飯する少し前から加湿器を止めるようにしている。少しの温度差で炊き上がりが変わってしまうとは、炊飯はなんと繊細なんだろう。

 

ちなみに、愛用中の土鍋の蓋が壊れてしまい新しい蓋と交換していただいたところ、以前の蓋よりも安定感が生まれてうまく炊けるようになった。気のせいかなと思ったが、キッチンスケールで測ってみると蓋が43g重くなっていた。炊飯は本当に繊細だなあと思う。