新米の時期になると増える「ごはんのおとも」特集。見ると、オイリーだったり濃厚だったりとヘビーな商品も多い。
それはそれで良いのだけど、「ごはんのおとも」と言えるのかどうか、疑問がわく。
「ごはんのおとも」はあくまで「おとも」。イヌやキジが桃太郎よりも目立ってしまったら「おとも」とは言えないだろう。
そこで、「ごはんのおとも」の定義について勝手に考えてみた
↑山わさびの白醤油漬け。山わさびをすりおろしてのせて醤油をかけただけのものおいしい。
いくつか思いつくなかで一番重要だと感じるのが、【口の中にいつまでも風味が残らないこと】。たとえば、にんにくたっぷり、唐辛子たっぷり、生ネギたっぷりなど、その後にごはんそのものの味がわからなくなってしまうようなものは「おとも」にならない。「おとも」は桃太郎の顔がわからなくなってしまっては「おとも」できないのだ。
次に重要だと感じるのは、【主役の座を奪ってしまうほどのインパクトある味ではないこと】。たとえば、バターや牛脂などを使ったこってりヘビーなもの。ごはんの味が感じられず、食べ終わった後に、こってりヘビーな味の印象だけが残ってしまうものは「おとも」とは言えない。桃太郎を読み終えた後に「おとも」の印象ばかりが残ってしまったら、そのお話のタイトルはもはや桃太郎ではない。
つまり、【地味で映えないながらもごはんが進むもの】こそが、真のごはんのおとも。
そしてもう一つ重要なのは、【少量あればごはんがたくさん食べられるもの】。お腹がいっぱいになってしまうようなボリューミーなものは「おとも」にはならない。あくまでごはんを食べるための存在であることを忘れてはいけない。
↑「山椒の実醤油漬ビリビリヤバイ漬」は口が痺れるか痺れないかのぎりぎり感
とは言え、私が過去にメディアやショップにご紹介した「ごはんのおとも」の中には、厳密には「たまごかけごはんのおとも」もあった。調味液系はそのままごはんにかけてもおいしいので、「ごはんのおとも」と言えなくもないけど、たまごかけごはんに添えるとその威力を発揮するので、やはり厳密には「たまごがけごはんのおとも」である気がする。