柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

揺らぐ資格の価値

先日、お米屋でお米を買おうとしたら、袋裏の「産地」「産年」「精米年月日(精米年月旬)」「販売者」が空欄だった。印刷されているのは、かろうじて品種だけ。POPや袋表に「産地」「生産者」は書かれていたが、精米年月旬がわからない。商品棚に置いてある他のお米も同様だった。

「これはいつ精米したのですか」と店員に尋ねると、「少々お待ちください」と奥へ行くと、お米屋の妻が出てきてくれた。同じ質問をすると「先週です」とのこと。その後、おそらくお米屋の夫に聞いてきた店員が「今月中旬です」と回答した。たしかに「日曜日」は「今月中旬」なので回答にズレはない。

それはそうと、なぜ精米年月旬を書いていないのか。その場精米の量り売りならばまだしも(それでも精米年月旬の記載は必要だが)、精米して袋に入れた状態での未記載はアウトで、FAMIC(独立行政法人農林水産消費安全技術センター)に見つかれば指導されるだろう。

衝撃を受けたのは、このお米屋はご夫妻そろって五ツ星お米マイスターであったこと。お米は生鮮食品であることを消費者に伝えるべき立場の人が精米年月旬を記載せずにお米を販売しているとは…

ちなみに「おまけ」でくれた2合入りのお米もすべての情報が未記載だった。おまけの気持ちはありがたいのだけど…

なんだかお米マイスターという資格の価値が揺らいでしまうなあと残念な気持ちになった。