柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

小鉢のない定食

ぬた、もずく酢、塩辛、卯の花、ナスの揚げ浸し。お酒を飲むときに、いろいろつまめる小鉢があるとうれしい。

でも、これが定食となると、急に小鉢のありがたみを感じなくなる。

たとえば、鯖の塩焼き定食だったら、ごはん、味噌汁、鯖の塩焼きの3点セット。あとは漬物ぐらいでいい。◯◯定食は、その◯◯が食べたくて注文するのだから、その◯◯に集中したい。あまりにも小鉢が多いと、それは定食ではなく、御膳になってしまい、鯖の塩焼きのありがたみも薄れてしまう。

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定食の醍醐味は、◯◯定食の◯◯にあたるメインのおかず。そして、その◯◯を受け止めるごはんと、じわりと染みる味噌汁。たとえどんなにおいしい小鉢であろうと、鯖の塩焼きとごはんのマリアージュの舞台を整えるためには、小鉢は不要に思えてしまう。

不要といっても決して小鉢が嫌いなのではなくて、鯖の塩焼きが本命のときは小鉢と真剣に向き合えず小鉢に申し訳ないから要らないってこと。◯◯定食は、あくまで◯◯が主役。