柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

お米と母乳

娘を出産後、母乳で育てている。早産で小さく生まれたこともあり、しばらくは2時間おきに授乳をするよう病院で指導された。

 

頻繁に授乳していると、やたらと喉が乾く。そして、お腹がすく。ごはんを3杯食べても驚くことに満腹感はうっすらとしか感じられない。

 

なんとなく、お米を食べると母乳が作られるような感覚がある。産前は昼食で素麺を茹でて食べたこともあったのに、今は素麺をまったく欲しない。あくまで個人の感覚的にだけど、麺やパンでは母乳が作れないような気がする。力仕事をする人が「米を食わないと力が出ない」と言うように、「米を食わないと母乳が出ない」と感じている。

 

そして、糯米は母乳に良いと聞いたことがあったけど、たしかに糯米を食べると母乳が増える感覚がある。産後の入院中、夫が持ってきたお盆用の餅粉の団子を食べたところ、効果てきめんだった。

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お盆にお墓で食べる餅粉の団子と枝豆

糯米とうるち米の違いはデンプンのアミロースとアミロペクチンの比率。糯米はアミロースが0%でアミロペクチンが100%。アミロペクチンが母乳に関係しているのだろうか。真相は不明だけど、感覚レベルでお米の偉大さを改めて感じた。

 

実は、破水の前夜にヨモギ餅と菱餅をこしらえていた私。切迫早産で安静に過ごすように言われていたにもかかわらず。

 

破水した時、前夜の行動をとても後悔した。餅をこしらえたことが破水の原因ではないとしても、安静にしていなかったことを反省し、病院へ向かう車の中で、お腹の子にごめんねと何度も謝った。

 

無事に出産して退院すると、夫がヨモギ餅を冷凍庫で保存しておいてくれていた。

 

大きなお腹でこしらえたこのヨモギ餅も母乳に変わるんだろうなあと思うと、なんだか感慨深い。