柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

禁酒中の食事

授乳中につき禁酒中。妊娠発覚時からお酒を飲んでいないので、かれこれ1年7ヶ月にわたり禁酒が続いている。

 

禁酒してからは外食への興味が薄らいでしまった。

 

料理はお酒を飲むからおいしい。そうでなければ口の中が落ち着かない。あるいは、味付けされた料理を食べた後に、ごはんを食べて口の中を落ち着かせたい。

f:id:chihoism0:20200818104223j:image

そういうわけで、おかずを食べてからごはんを食べて口の中もお腹も落ち着く定食屋は禁酒中も愛することができている。

 

ならば、イタリアンでは料理を食べた後にパンを食べたら良いのでは?と言われそうだけど、パンはダメだ。パンも塩味がある。パンを食べたらワインを飲まなければ口の中が落ち着かない。

 

そんなわけで、リゾット、パエリア、炒飯といった味付けされた米料理も、禁酒中は食指が動かない。味付けだけでなく、オイリー感をお酒で洗い流したいのだ。その役目はペリエでは物足りない。

 

カレーもあまり欲さない。カレーはライスがあるじゃないか!と言われそうだけど、カレーはスーパーオイリー&スパイシーなためか、ビールの炭酸と苦味でシュワッと洗い流したい。

 

一方で、釜飯や炊き込みごはんはオイリー感がないので禁酒中でも食べたくなる。でも、お酒の代わりに白飯が欲しい。つまり、釜飯や炊き込みごはんをおかずに白飯を食べたくなるのだ。

 

義祖母の法事で懐石料理が出た時は辛かった。お酒を飲むために用意されたような料理が次々と出され、白飯は最後の〆まで出てこない。「すみません、白飯ください」という言葉を何度飲み込んだことか。

 

お世話になっている方に銀座の和食でご一緒させていただいた時は、ペリエとともにおいしい料理の数々をひたすら口に運び、心の中で悶絶しながら、心の中で流した涙とともに料理を飲み込んだ。

 

ちなみに夫は、「お酒はお酒、料理は料理」という人なので、この苦しみに共感できないらしい。私いつからお酒がないと食事を楽しめないようになってしまったのか。

 

とは言え、禁酒中でも定食屋を愛することができているように、自宅では、白飯、味噌汁、おかずの食事はお酒なしでも満喫している。お酒がなくても満足感が得られる白飯の受容感はすごい。

 

ちなみに、禁酒中の収穫は「夕食はお酒がなくても楽しめる」「一流のバーはオレンジジュースですらおいしい」という気づきを得たことかもしれない。

 

まったく娘の存在は世界を広げてくれている。