「大盛りライスと濃いカレー」で、「日本のごはんの消費量が減っている要因の一つは、おかずの味付けの薄さにある」と、健康志向による減塩の影響について書いた。
加えて、最近になって「おいしくないごはんは塩分を増やす」ということにも気づいた。
炊飯実験で古米を食べた。粘土のような香りがしてつらかった。普段は白ごはんだけでも箸が進むけど、この時はおかずを食べる量が増え、使う醤油の量が増えた。そうでないと、ごはんを食べ進められなかった。
つまり、
「塩分が多いおかず」⇒「ごはんの消費が増える」
「おいしくないごはん」⇒「塩分の摂取が増える」
ということだ。
ならば、
「おいしいごはん」⇒「塩分の摂取は減る」
ということなのだけど、以前にも書いたように、
「塩分の摂取が減る」⇒「ごはんの消費が減る」
ということにもなるのではないだろうか。
でも、ごはんがおいしいのだから、ごはんの消費は増えるだろう。でも、塩味がないと、いくらなんでも白ごはんだけで何杯も食べないよなあ。ならば、おいしいごはんに味の濃いおかずをぶっかければいいのか。でも、それでは塩分を避ける人がごはんをあまり食べないよなあ……などなど、無限ループに陥った。
そんなとき、やはり梅干しとか佃煮とか漬物とか、塩味が強いけどちょっとだけつまんで白ごはんをかき込めるシンプルな「ごはんのおとも」は、ごはんとの相性が最強だと改めて実感した。
最近の「ごはんのおともランキング」などを見ると、「松坂牛大トロフレーク」とか「かけるピリ辛ラー油」とか「老舗料亭のビーフカレー」とか「とろける煮豚」などがあるけど、それって「ごはんのおとも」ではなく「ごはんのおかず」ではないだろうか。
「ごはんのおとも」はあくまで「ごはんの味を楽しめる」もの。「桃太郎」の主人公は「おとも」のサルやキジではないように、「ごはんのおとも」も主人公は「おとも」ではなく、ごはん。おいしいごはんの消費をアップさせるポテンシャルたっぷりの「ごはんのおとも」を改めて見直してみたい。