柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2022-01-01から1年間の記事一覧

掘るほどに出てくるお米の魅力、まずは思いつくままに〜私はお米に救われてきた〜

ウクライナ侵攻の影響で資源や食料価格が高騰している。日本では近年、お米の消費量が減り続けているが、小麦価格の高騰を受けて米食を見直そうという声もある。お米は身近な存在すぎるがゆえ、なかなかその魅力に気づきにくいが、これを機にお米の魅力を掘…

お米と日本酒は似ている・その1

「『精米したて』は本当においしい?」でも書いたが、お米は精米当日よりも、精米から5日くらい経ってからのほうがおいしいと思っている。 最近は日本酒でも、同様に開栓当日よりも、数日経ってからのほうがおいしいと思えるものにいくつも出会い、日本酒の…

夏休みにおばあちゃんちで食べた朝ごはん

ごはんがおいしかった記憶を遡っていくと、小学生の頃の夏休みに信州の母の実家で食べた朝食を思い出す。 当時住んでいた関東の家に比べて朝は涼しく、網戸からは気持ちのいい風が入ってきた。祖母が用意してくれた子ども用の小さな平たい茶碗によそられた炊…

シャケとマシュ

焼き鮭が好きなのでスーパーでいつも塩鮭を買おうとするが、どれも原材料に酸化防止剤とかpH調整剤など、鮭と塩以外のものが使われている塩鮭ばかりなので買わずに店を出る。塩鮭は酸化防止剤やpH調整剤がないと成り立たないものなのだろうかと絶望していた…

おいしいごはんのおとも・その2

都内に住んでいたとき、有楽町駅前の交通会館に通い詰めたことがあった。目当ては北海道のアンテナショップ「どさんこプラザ」に売っていた山わさび(ホースラディッシュ)。すりおろして白飯にのせて醤油をひとたらしするだけであっという間にごはんがなく…

米言葉

近所の花屋でスカビオサという花を買った。 小さい花瓶の場合は、花を下に、つぼみを上にして活けるといいと教えてもらったので、その通りにしたら可愛くなった。 お米も「このお米は浸漬時間少し長めで」とか、「こってりおかずよりもあっさり和食が合う」…

お米との相性

誰かが「このお米おいしいよ」と言っても、そのお米は必ずしも他の誰もが「おいしい」とは思わないかもしれない。誰かがが「このお米おいしくない」と言っても、そのお米は必ずしも他の誰もが「おいしくない」と思わないかもしれない。 粘りが少なくすっきり…

おいしいごはんのおとも・その1

ちりめん山椒が好きなのだけど、なかなか無添加で甘すぎずおいしいものが見つからない。 そして昨年ようやく出会えたのが京都下鴨「すぐり」のちりめん山椒。 原材料は、四国・九州産のちりめんじゃこ、和歌山県産の実山椒、みりん、酒、醤油。砂糖不使用で…

バスマティライスを食べ比べてみた・追記

「バスマティライスを食べ比べてみた・その1」と「バスマティライスを食べ比べてみた・その2」で計8種類のバスマティライスを食べた。ただ、袋に精米年月日の記載がなかったので販売元に問い合わせてみると、それぞれバラバラだった。 ◎その1で食べたバスマ…

お米パンはお米の消費拡大に逆行する

以前に「米粉パンに思うこと」でも書いたが、米粉パンや生米パンなど、お米を原料にしたお米パンは、お米の消費拡大には繋がらないと常々思っている。 お米が原料とは言え、お米パンはパンだ。つまり、おかずはごはんでなくパンに合うおかずになる。たとえば…

お米の粘りと油の関係性

先日バスマティライスの食べ比べ後、夫と2歳の娘と一緒にバスマティライスでランチをした。 おかずに豆カレーと野菜カレーを作ったのだけど、豆カレーのほうは小さな娘も食べられるように油を少量に抑えてチリパウダーを使わなかった。 すると、バスマティラ…

バスマティライスを食べ比べてみた・その2

「バスマティライスを食べ比べてみた・その1」に続いて、さらに4種類のバスマティライスを食べ比べてみた。炊飯方法は前回と同じ。 今回のラインナップは以下の4種類。 ◆DAAWAT(EVERYDAY GOLD)インド ◆DAAWAT(CLASSIC XXGRAIN)インド ◆GUARD(NATURE'S F…

バスマティライスを食べ比べてみた・その1

インドとパキスタンで栽培されているヒョロリと長いバスマティライスを食べ比べてみた。 ラインナップは以下4種類。 ◆LALQILLA(NATURE'S FINEST)インド◆Kohioor(Extra Flavor)インド◆Mehran(カーネル米)パキスタン◆Maharani(Extra long Grain・セーラ…

「ごはんのおとも」の定義

新米の時期になると増える「ごはんのおとも」特集。見ると、オイリーだったり濃厚だったりとヘビーな商品も多い。 それはそれで良いのだけど、「ごはんのおとも」と言えるのかどうか、疑問がわく。 「ごはんのおとも」はあくまで「おとも」。イヌやキジが桃…

「精米したて」は本当においしい?

蕎麦は「さんたて」、つまり、「挽きたて、打ちたて、茹でたて」が良いと言われている。 しかし、お米も「精米したて、炊きたて」が良いのかと言えば、そうでもない。 「炊きたて」のおいしさもあるけど、冷めてからもおいしいごはんは本当においしいごはん…

「新米」が終わると「旬米」の季節

秋になるとそこかしこで「新米」の文字を目にする。しかし、それも12月31日まで。年が明けると「新米」はただの「米」になる。 新米じゃないならおいしくないのねなどと思われがちだけど、実は新米じゃなくなってから味がのってくる。もちろん米質や保存方法…

金継ぎと久野恵一さん

器や皿が好きで大事にしているつもりなのに、注意力が足りないのか1年に何枚も欠いたり割ったりしている。 今も金継ぎ待ちの器や皿が数枚あるけど、金継ぎされた器や皿がより美しくなって帰ってくるので多少の欠けならば落ち込まなくなった。以前に、民藝の…

アルデンテの長粒米

先日あるイベントにてベンガル料理のポラオを食べた。バスマティライスが使われていたので、ふうわり軽い食べ心地を想像して口に入れ咀嚼すると、なんとアルデンテ。長粒米をアルデンテに仕上げた料理は初めてだったので驚いた。 数年前にスペインへお米取材…

お米を追うほどに

娘の授乳が終わり日本酒が飲めるようになったので晩酌という毎日の楽しみができた。 これまで飲めない期間につい買ってしまい冷蔵庫に眠らせていた日本酒を少しずつ飲んでいる。 以前から食べたお米を記録していたInstagramに日本酒もたまに記録するようにな…

「農薬・化学肥料=おいしくない」ではない

有機栽培や無農薬栽培などは、イコールおいしい、と思われがちだけど必ずしもそうではない。 もちろん、環境には良いことは多いけど、同じ生産者の同じ品種でも、有機栽培よりも減減特栽(減化学肥料・減農薬の特別栽培)のほうがおいしい場合もある。 以前…

お米まわりのイチオシ・その1

数年前に東京・高円寺の暮らしの道具店「cotogoto」で購入した「公長斎小菅」の「竹重箱」がお米料理にめちゃくちゃ重宝している。 外出時には家族のおむすびを入れたりいなり寿司を入れたり。ハレの日にはちらし寿司を入れたり赤飯を入れたり。ハレの日以外…