柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

2019-01-01から1年間の記事一覧

大盛りライスと濃いカレー

先日、「ニューデリー」というインドカレー店へ入った。 インド人とみられる人たちがスタッフで、建物は喫茶店かラーメン店だったような店の居抜き。テレビからはインド音楽のDVDが流れてくる。テーブルはちぐはぐで、カウンターに2つだけ置いてある椅子はパ…

かけ蕎麦に天ぷらまんじゅう

福島県会津地方には「天ぷらまんじゅう」という食べものがある。 薄皮まんじゅうに衣をつけて揚げたもので、関東でも「揚げまんじゅう」という名前で見たことがある。長野県出身の母も「学生時代に駅前の揚げまんじゅう屋さんで買って食べた揚げたてがおいし…

もみじまんじゅうと自己責任論

私が住んでいる町にはおいしいと評判の今川焼きがある。でも、いつも売っているわけではなく、毎年1月13日に開かれる十三市(初市)や、たまに地元のスーパーの入口で買えるくらいのレアな今川焼だ。 夫も家族もみんなこの今川焼が好き。私は甘いあんこやク…

ごはんが足りない

市販弁当のふたを開けて最初に見るのはごはんとおかずの量のバランス。 多くの場合、おかずに対するごはんの量が少ない。そのため、何も考えずに食べ始めてしまうと、途中でごはんがなくなり、「このおかずでごはんが食べたかったのに…」とがっかりすること…

「偏食」の受容力

いわゆる「都会」に住み、「田舎」にも住むと、「都会」の良いところ悪いところもあるし、「田舎」の良いところ悪いところもあるなあと感じた。 以前に2年ほど住んでいた「田舎すぎないけど一応どちらかというと田舎」の地域は、一部の住民たちは本当に良き…

とんかつ屋で魚を食べる

「“立ち飲み好き”の育て方」で藤沢の「紺屋」という立ち飲み屋の写真を載せたら、読んでくださった方が「28日で閉店だそうです」教えてくれた。 良き店がどんどんなくなってしまう。悲しい。 記者時代に新聞社の近くにも素敵な店があった。「とんかつ いわた…

つわりの効能

以前にある地域に住んでいたとき、水道水がものすごくおいしくなかった。 地下水だったので心配になって簡易的な水質検査のキットを買って測ってみると、飲料可能ではあった。でも、水を飲むと、「おええ」となってしまう。 水が苦手になり、そのうちなぜか…

“立ち飲み好き”の育て方

「背徳感というおいしさ」で「立ったまま食事をすることは行儀が悪いと思っていた」と書いたところ、ものすごく厳しい家庭で育ったように受け取られた人もいたようだ。たしかに、厳しいと言えば厳しかったかもしれないけど、決して「おごそか」な両親ではな…

食べるための旅

旅はつねに食べものが目的。何か食べたいものがないと旅に出るモチベーションがわかない。 過去に何回か行った海外のお米取材の旅は、お米が目的なので、モチベーションたっぷりだった。台湾で駅弁発祥の「池上弁當本舗」の店を発見したときは、一人だったに…

背徳感というおいしさ

「食べもののにおい」で「学生時代は立ったまま食事をするなんて行儀が悪いと思っていた」と書きながら、そういえば私はいつから立ち食いそばが平気になったのだろう…と考えた。 そもそも、子どものころ、両親の教えを忠実に守っていた私は、食事中に席を立…

食べもののにおい

先日、長距離バスの中で何かのにおいで気持ち悪くなった。においの元は何だろうと見回すと、後方の座席の男性が食べていたマクドナルドのバーガーだった。そういえば、バスの待合所で男子学生の集団が地べたに座ってマクドナルドのバーガーやポテトを食べて…

硬水でごはんを炊く・その2

「軟水が炊飯に向く」と言われているけど、果たして本当なのだろうか?という疑問を抱き、「硬水でごはんを炊く」では、2種類の軟水でお米の炊き比べをしてみた。そして、「軟水で米粒の吸水速度を比べてみた」ではその原因を探るべく、吸水速度を比較してみ…

つわりの意味

意外においしいと気づいてオレンジジュースを飲むようになったら、今度は気持ち悪くなり、オレンジジュースが少しこわくなった。体調によっては味噌汁も飲みたくないときがあるけど、ごはんの隣に味噌汁がないとなんとなくさみしいのでちょっとだけ飲む。イ…

お米が主役

先日、都内某所でヒミツのお米勉強会に参加した。とても勉強になった。 思えば、妊娠してから仕事との両立に悩み、焦っていた。でも、勉強会で改めて、お米文化の再興、お米の消費拡大、水田風景の保全のためには、何が必要なのか、何をすべきなのかという視…

イタおいしい

わが家は夫婦そろって偏食なので、他の家庭に比べて毎日の献立の幅は狭いかもしれない。食卓にいつも登場していたのは煮物。あとは、胡麻和えやきんぴらごぼうなど。でも、妊娠して甘じょっぱいものが苦手になったため、煮物をまったく作らなくなってしまっ…

軟水で米粒の吸水速度を比べてみた

硬水でごはんを炊くの実験では、軟水の中でも硬度によって炊きあがりの違いがあった。SNSにてある方が「軟水は米粒に浸透しやすい」という仮説を書いていたので、その仮説は本当だろうか??という疑問を抱き、比較実験をしてみた。 使ったのは、硬水でごは…

お酒を飲まなくなったら

妊娠が分かってからお酒を一切飲まなくなった。一緒に食事をする人から「私たちだけごめんね」と言われるけど、不思議なことにお酒を飲みたいとまったく思えなくなってしまった。 なぜなら、常に二日酔いのような薄ら気持ち悪さがあり、常に風邪のような薄ら…

食べられないもの

飲食店の予約時に「アレルギーや苦手なもの」をお伝えして、料理からそれらをしっかり抜いてくれるだけでなく、次回の予約時にそれらをしっかりと覚えてくださっている飲食店は一流だと思う。 逆に、アラカルトで2品オーダーしたときに、苦手なそれが入って…

天かす丼

外食では他人が何をどういう組み合わせで注文して食べるのか、とても気になる。ついつい周りのテーブルを見渡してしまう。 特にホテルの朝食バイキングは興味深い。海外では現地の人の朝食スタイルを知るのが単純に楽しいけど、日本では他人のごはんの量が気…

玉子丼が食べられない

あんなに好きだった玉子丼を食べたいと思えなくなった。いつも気持ち悪い。風邪でもひいたのだろうか…と思ったけど、どうやら風邪ではなさそう。電車の中で吐きそうになりながら、あーつらい、あーつらい、と思いながら生活していたら、妊娠2カ月だった。 思…

タイからコシヒカリを逆輸入

昨年9月、タイに行ったときに、現地で販売されていたJAの新潟県産コシヒカリ2kgを購入。日本に“逆輸入”した。 購入したのは現地の米店。冷蔵ケースでお米を販売していた。しかし、この新潟県産コシヒカリの精米年月日は7ヶ月前の2月だった。 冷蔵ケースの中…

お米との出会いをくれた人

夫から「炭酸水でごはんを炊く」「炭酸水でごはんを炊く・その2」の文章は「興奮が伝わってこない」と言われた。 そう、興奮していない。どこかで炭酸水炊飯はどうでもいいと思っている。 普通に水で炊けばいいじゃんと思う。でも、その水の硬度やphやミネラ…

炭酸水でごはんを炊く・その2

「炭酸水でごはんを炊く」とはちょっと違う炭酸水炊飯をしてみた。 今回はウィルキンソン。浸水から炭酸水にして、4時間30分後に早炊きしてみた。 浸水時からお米と炭酸水が化学反応を起こしているかのような大きな白い泡がシュワシュワと出ていた。不安。 …

炭酸水でごはんを炊く

ソーダメーカーのCMで炭酸水でごはんを炊くとおいしいと言っていた。 インターネットで検索すると、炭酸水で炊飯すると「ツヤツヤふっくら」「もちもち」「ツヤもちふっくら」「冷めてもやわらかい」などなど書かれている内容はどれも良いことづくめ。ある記…

硬水でごはんを炊く

炊飯には軟水が向くと言われている。硬水で炊くと、水が入りにくく、炊きあがりが黄色くなるそうだ。 そこで、「GEROLSTEINER」という硬度1310mg/Lの超硬水で炊いてみたところ、見た目は黄色くて、お米は長細く見える。膨らまなかったのだろうか。香りは酸っ…

ごはんをもうちょっと食べるには

「モチあり正月」で、夫が昼と夜に餅を12個食べたと書いたけど、この時は家に餅がこれしかなかったから12個しか食べられなかっただけで、餅をついたときは夫は1食で1升は食べている。 この「12個」に対して、「そんなに食べるの?」と言う人と、「それしか食…

アツアツの定義

手がかじかむような寒さの中でヤケドするほどアツアツの甘酒を飲むのが好きだ。 過去に甘酒のおいしかった思い出を挙げると、どれも同じような状況で、甘酒を飲んでいる。 一番古い記憶は、長野県の祖父母の墓参りに行った時に「しなの鉄道」というローカル…

白い粉

冬になったら夫がほぼ毎日のように白い粉を飲むようになった。 夫はお兄ちゃんとお父ちゃんと一緒にお米を作っている米農家。住んでいる地域は豪雪地帯なので、冬は何も作らない。農家はみんな一時的にサラリーマンになる。 お兄ちゃんは除雪、お父ちゃんは…

レモンティー風

バニラの香りをかぐと甘く感じ、カカオの香りをかぐと甘く感じる。でも、バニラやカカオは甘くない。むしろ苦いらしい。バニラアイスとかバニラの香りがついているものはおおむね甘いし、ココアとかチョコレートとかカカオの香りがついているものはおおむね…

平成の米騒動の食卓

平成ももうすぐ終わり。 ということで、お米の平成回顧記事として、「平成の米騒動」と「タイ米」について書いた。 マイナビ農業「平成の米騒動から四半世紀 日本とタイで米の好みはどう変わった?」 https://agri.mynavi.jp/2019_01_08_54054/ 米騒動の当時…