柏木智帆のお米ときどきなんちゃら

元新聞記者のお米ライターが綴る、お米(ときどきお酒やごはん周り)のあれこれ

おやつもお米を食べよう運動・その5

娘が風邪を引いて1週間以上こども園を休み続けたので、こども園と距離を置いて改めて子どもの食事を考える機会になった。昨年こども園の先生から「おやつは他の子どもたちと似たようなものがいいのでは」と言われたので、給食のおやつが肉まんやロールパンや…

令和4年産おいしかった米・2023年春分の日翌日から5月末までに食べたお米

「令和4年産おいしかった米・春分の日までに食べたお米」に続き、令和4年産米を2023年2月5日から5月31日までの約4ヶ月間で計61種類のお米を食べてきた中で、特に「めちゃくちゃおいしい!」と感じたお米を6つ紹介する。 ■黒田祐樹さん(がんも農場)長野県佐…

若苗の櫛跡に映るあの町は 逆さまワンダーランドの朝が始まる

フリー素材 若苗の櫛跡に映るあの町は 逆さまワンダーランドの朝が始まる 田んぼに整然と並ぶ苗の青が日に日に濃くなっていく。 朝ごはんを食べながら田んぼを見やると、制服を着た中学生が逆さまに通り過ぎていく。 山も家も車も自転車もみんな逆さま。

あいうえお おほしさまを たべたんだ はひふへほたるは のはらをとぶよ

youtubeより あいうえお おほしさまを たべたんだ はひふへほたるは のはらをとぶよ 私が子どものころ、幼稚園に行く前に毎朝テレビで「ポンキッキ」という子ども番組をみていた。そこに出てきた歌は今でも覚えているものがたくさんあり、そのうちの一つが「…

左手の上の小さな茶碗の山盛り飯 舞い降りたのはむらさきの風

左手の上の小さな茶碗の山盛り飯 舞い降りたのは紫の風 以前に書いたが、娘は「ふりかけの風」(文・ねじめ正一/絵・伊野孝行)という絵本を読んで以来、ふりかけが大好きになり、ふりかけだけで白飯を3杯食べることもできる。 「ふりかけむら」に「ふりか…

逆さまに磐梯山にじむ水鏡 娘が見つけた「こめつぶ」3粒

逆さまに磐梯山にじむ水鏡(みずかがみ) 娘が見つけた「こめつぶ」3粒 5月15日、田んぼに水がやって来た。 朝起きると磐梯山が逆さまに映る田んぼを眺める。雲がかかったり霧が出ていたりして頂上が見えない日のほうが多いので、とんがり頭が見えた日はそれ…

パックごはん選手権・赤飯の部

パックごはんが人気なのは知っている。いろいろなパックごはんの白飯や玄米を試した。でも、どうしても好みのものに出会えなかった。 だから「セブンプレミアム」の「小豆の自然な色と香り お赤飯」に出会ったときは驚いた。パックごはん特有のにおいがない…

絡まれば醤油の糸も飯粒も絡み絡まれ小粒納豆

絡まれば醤油の糸も飯粒も絡み絡まれ小粒納豆 納豆ごはんを毎朝食べている。毎日飽きもせずに。この朝食が定番になってからいったい何年経ったのだろう。 付属のタレは使わず、味付けは醤油か手作りポン酢。納豆の豆そのものもおいしいが、醤油をまとった糸…

蒸しパンに見る米粉の違い

米粉で蒸しパン実験。前回の「蒸しパンに合う米粉」に続き、今回は福島県郡山市「石澤農園」のコシヒカリ米粉(325〜400メッシュ)と、市販の米粉(薄力粉の代わりにと書いてあるのと石澤農園米粉と比べた時の見た目からして200メッシュくらいかな)を1:1で…

蒸しパンに合う米粉

いろいろなコシヒカリ米粉で娘のおやつの蒸しパンを作って比べてみた。製菓用とかお菓子用と書かれたほとんどの米粉はだいたい1枚目の画像のように膨らんで花が咲く。どれも粒サイズは書いていないけど、たぶん小麦粉と同等の200メッシュくらいかなあと。 試…

たんぼにいるのはだれ?

3歳の娘のために絵本をつくった。 タイトルは「たんぼにいるのはだれ?」 田んぼの目の前で暮らし始め、毎日田んぼを眺めていると、ざざーっと風邪が吹いたときにまるで田んぼの中で生きものが動いているような光景に出くわすことがある。 娘が知っている生…

お米の「おいしさ」とは

新米の季節になると、各地で「おいしいお米」を選ぶコンテスト・コンクールが開かれるが、「おいしいお米」って何だろうと毎年改めて考える。 粒張りや粒立ちの良さとか、でんぷんの滑らかさとか、指標はさまざまだけど、お米は日常食であるからこそおいしさ…

摂食障害時代のこと・その5「七草粥」

摂食障害時代のこと・その4「塩がこわい」の続き 七草がゆの日。 パック詰めされた七草を茹でて刻み、土鍋で多めの水と一緒に炊く。 ふと、パッケージを見ると、作り方の手順に「塩ひとつまみ」と書いてある。 ひとつまみ…どれぐらいだろう。 砂のように細か…

令和4年産おいしかった米・2023年春分の日までに食べたお米

令和4年産米を2022年秋から2023年春分の日(2月4日)までの約4ヶ月間で計116種類のお米を食べてきた中で、特に「めちゃくちゃおいしい!」と感じたお米を3つ紹介する。 ■武山昌彦さん(武山農園)北海道・剣淵町 「ななつぼし」 武山さんのお米は「ゆめぴり…

タイの残念なニュース

時事通信社の報道でショッキングなニュースを知った。 要約すると、こんな内容だ。 タイ商務省国内通商局のウドム副局長によると、タイ国内のコメ消費量は2018年の1人当たり年平均100キロから減少が続いている。 減少の要因は「食の多様化の進行」「若年層の…

飽きない「追いポン」

東京都目黒区にある「高崎のおかん」では料理と燗酒のペアリングコースが楽しめる。 2回目の訪問時、コースの終盤に豆乳茶碗蒸しが出てきた。これを食べてから、泡立てた豆乳をのせてもらった鈴木酒造の本みりん「黄金蜜酒」のお燗を飲むと…口内で調和されて…

お酒を飲むとお米を食べない人たちへ 目指せ「お むすび×お燗」文化の醸成 日本の米食文化をアップグレードするために

数年前、中東とヨーロッパへ行ったとき、その多様な米食文化に目を見開いた。 トルコでは、ピーマンにピラフを詰めた「ビベルドルマ」、ムール貝の殻にピ ラフを詰めた「ミディエドルマ」といった料理を食べながら、ワインを楽しむ…

ジョニーウォーカーとモカマタリ

会津若松市に「時さえ忘れて」というバーがある。 メニューは毎日原稿用紙に手書き。 提供される水はマスターが隣の磐梯町にある「慧日寺」から汲んできた湧き水。12キロの湧き水を背負って電車と徒歩で店まで運んできているそうで、まるで山小屋のようであ…

摂食障害時代のこと・その4「塩がこわい」

「摂食障害時代のこと・その3「入院を拒否」」の続き なんとか死なない程度の体重まで戻していたが、それに反比例するように、食べられるものの幅がどんどん狭まってきた。食品だけでなく、調味料の一切を受け付けられなくなってしまったのだ。 自宅療養だっ…

足音を聞いて育つ稲

新潟県のある米農家は、農業を始めたころ田んぼに向かっていると、駄菓子屋のおばさんから「よく田んぼを見て回るね。稲は人の足音を聞いて育つって昔から言うたもんだ」と声をかけてもらったそうだ。 この話をあるワインソムリエにお伝えすると、オレゴン州…

さみしいおむすび

「ふりかけは混ぜたくない」で書いたが、ふりかけを混ぜたおむすびがあまり好きではない。 ところが、子どもの頃にスイミングや水泳部の試合で母が持たせてくれるおむすびは多くの場合ごはんにふりかけが混ぜられていた。 それだけでなく具まで入っていた。 …

ふりかけは混ぜたくない

3歳の娘が「ふりかけのかぜ」(文・ねじめ正一/絵・伊野孝行)という絵本をきっかけにふりかけごはんが大好きになった。昨年秋から長くブームが続いている。 福音館書店「こどものとも年少版」定期購読の絵本。読むとふりかけごはんが食べたくなる。 子ど…

摂食障害時代のこと・その3「入院を拒否」

摂食障害時代のこと・その2「病気に気づく」からの続き 心療内科で「出勤停止」を言い渡された後、医師の指示で一人暮らしのアパートから実家へ戻った。たしかにあのまま一人で暮らしていたら本当に命を落としてしまっていたかもしれない。 当時はごはんを食…

お土産の楽しみは「買わなそうなもの」

夫は東京へ行くと、いつも「あなたが買わなそうなものだから」と言ってお土産を買ってきてくれる。 これまでに買ってきたのは、 ◆「合格祈願米」 (福島県白河市産コシヒカリで、白河市産だるま付き) ◆「大天狗 宇宙酒 純米吟醸」 (福島県本宮市「大天狗酒…

摂食障害時代のこと・その2「病気に気づく」

摂食障害時代のこと・その1「書こうと思った理由」からの続き 身長157cmで31kgまで体重が落ちたときは、見るかげもないほどガリガリだった。 頰はこけて、顔は青白かった。脚は「ポッキーみたい」(母)と言われた。 朝起きるたびに気を失って倒れていたが、…

冷めた煮えばな、炊きむらのある白飯

先日、渋谷区エリアで土鍋ごはんがウリの和食店に行った。 コースの途中で煮えばなが出てきた後、締めに白飯が食べられる。 楽しみにしていたのだが、出てきた煮えばなは冷めていてアルデンテ。 リゾットやパエリアのアルデンテはおいしいが、白飯のアルデン…

摂食障害時代のこと・その1「書こうと思った理由」

「摂食障害でお米を食べることができない」という相談を何度かいただいたことがある。 私は過去に摂食障害に陥り、31キロまで体重が落ちたことがある(身長157cm)。お米だけは安心感があって食べることができ、いわばお米が命を繋いでくれたわけだが、特定…

「正月は特別だからな」

「一年の計は元日にあり」という言葉は「物事を始めるにあたって最初にきちんとした計画を立てるのが大切」という意味のことわざ。 1月7日で松の内が明ける そうわかっていても「一年の計は元旦にあり」という言葉は文字面をそのまま受け止めると「精神的に…

カスベの煮付け

今年は雪が多い。 先日は夫が不在中に娘と2人で車で出掛け、夕方帰宅すると雪で自宅敷地内に入れなくなっていた。路駐して、除雪道具を取りに行くために膝上まで雪に埋もれながら家に向かっていると、神奈川県に住んでいた17、18年ほど前に大学の卒業記念に…

ごはんのおともをアップグレードする

先日「山角や」の水口さんにいただいた京都の漬物「すぐき漬け」。 「生姜醤油に合いますよ」と教えていただいた通り、生姜醤油で和えてみたら素晴らしいごはんドロボーに。おむすびにも合いそう。山角やさんのおむすびを食べたり、今回のアレンジを教えてい…